ガンダムの世界観と最新の科学技術をかけ合わせ ビームサーベルで月面稲作も可能に!?
産経ニュース / 2024年10月15日 12時3分
人気アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズの世界観と最先端の科学技術をかけ合わせ、社会での活用方法を研究した展示イベント「GUNDAM NEXT FUTURE SCIENCE展~未来の豊かな暮らしのために~」が科学技術館(東京都千代田区)で開かれ、人気を集めている。イベントは22日までで、作中に出てきた技術を宇宙での農業に生かすプロジェクトなど、ユニークな展示や最新ロボットの操作体験など、子供から大人まで楽しめる内容となっている。
同展は、バンダイナムコグループが進める「ガンダムオープンイノベーション(GOI)」という取り組みを紹介する展示。ガンダムの世界観を現実の技術で再現し、食糧やエネルギー不足をはじめとする社会課題を解決する平和利用につなげる研究を紹介している。
熱心に耳傾ける愛好家
東北大大学院生命科学研究科の東谷篤志教授が13日に開催した、月面での稲作を可能にする技術を解説する特別講座では、約50人のガンダム愛好家が熱心に耳を傾けた。東谷教授によると、ガンダムの武器のビームサーベルに似た特性を持つプラズマを利用すると、空気中から肥料のもととになる窒素酸化物を作り出すことができるという。保水力のない月の土でも水を張る田んぼなら整備することができるため、稲作が可能になるという理論だ。東谷教授は「研究の現場はたこつぼ。アニメだからできる話をきっかけにいろいろな人の意見を聞いて、研究者としても視野が広がる」と笑顔をみせた。
川崎市から来た小学3年の斉木依織さん(8)は「宇宙で生活して、ガンダムを操縦してみたい」と目を輝かせていた。GOIに参画している自然科学研究機構核融合科学研究所の伊藤篤史准教授は「昭和、平成のアニメ、ゲーム、ロボットは科学考証のバランスが取れている。アニメーターと研究者の間に相乗効果が生まれるのが理想」と話す。
「横浜のガンダム」の手が動く
会場には、横浜市中区の山下埠頭に令和6年3月末まで設置されていた実物大模型「動くガンダム」(高さ約18メートル)の手も展示されており、じゃんけんの動きを再現する。動く展示は解体後初めてという。
アニメから着想を得たミニチュアロボットの操作が体験でき、実際に搭乗できる四足歩行ロボットも公開されている。これらのロボットは、動くガンダムと同じ基本ソフト(OS)で稼働しているという。
開館時間は午前9時半~午後4時50分(入館は4時まで)。入館料は大人950円、中高生600円、4歳以上の子供500円。16日は休館。
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