刑事と職場PR、全力注ぐ 第2機動捜査隊 中野美咲巡査長 警視庁150年
産経ニュース / 2024年10月2日 7時0分
犯罪発生時、いち早く現場に駆け付け、初動捜査に当たる警視庁刑事部の機動捜査隊。今年から第2機動捜査隊(2機捜)に所属する中野美咲巡査長(34)は、同隊で約1割の女性刑事の1人として職務に励みながら、刑事志望者が増えるよう職場の魅力を伝える仕事もしている。(前島沙紀)
■性被害者に安心を
2機捜に配属されてから約8カ月。強盗事件や刃物使用の傷害事件といった凶悪事件が発生すると、上司とともに捜査車両で現場に出向き、容疑者の摘発に努めてきた。「その場に目撃者しかいない状況もあるので、私たちが確保しなくてはいけない」と急行を心がける。
2機捜に配属される前は新宿署の刑事課で働いていた。その際に知り合った機捜隊員は「署員が忙しい中、冷静に周りを見て、足りないところを補充してくれる」という印象で、今では自身もそういう存在であるよう意識している。
特にやりがいを感じるのは性犯罪事件の捜査だ。被害者は男性の警察官に恐怖を抱き、話をしたくないという女性も多く、署員で女性がいない場合などは進んで対応している。捜査のために、被害者からの詳細な事情聴取や当時の再現が必要な場合には「被害者がかなり苦しい状態になってしまうので、寄り添って声をかけたり背中をさすったりする」という。
■チアで息抜き
張り詰めた緊張感の中での仕事だが、休日には警視庁のクラブ活動「警視庁チアリーダーズ」の選手としても活動し、リフレッシュしている。週2回ほど署の道場で練習し、警視庁第9機動隊の強豪アメフト部「警視庁イーグルス」などのスポーツクラブの試合を応援する。
クラブ員約30人の中で刑事として働きながら活動する仲間は数人だが、「同じ職員が頑張っている姿を見て、『チアのおかげで勝てた』といわれると励みになる」と笑顔を見せる。
■採用の最前線に
7月からは「刑事PRオフィサー」の1人にも任命された。本部や署の現職刑事から20人が指定されており、採用イベントなどで警察官を志す学生らに向けて刑事の仕事について話し、魅力を伝えるのが役目だ。
大学時代に子供を取り巻く環境を整えるような仕事に関心を抱き、警察官を選んだ中野さん。警察学校などで学ぶ中で、都民から一番求められることは容疑者の摘発だと実感した。その思いを抱いたまま、刑事として6年目を迎えた。「容疑者の摘発が治安維持につながり、被害者の方が安心されるのが一番」と、今後も容疑者の摘発に全力を注ぐとともに、女性刑事の増加も願う。
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