ロサンゼルスの山火事「過去最悪」 鎮圧の兆し見えず 13万人に避難命令

【ニューヨーク＝本間英士】米カリフォルニア州ロサンゼルスや近郊で7日に発生した山火事は9日も燃え続け、少なくとも5人が死亡した。被害が激しい地域では鎮圧の兆しが見えず、地元当局は死者が増える可能性を示唆。バイデン大統領は「州の歴史で最悪の山火事だ」と述べた。

地元紙ロサンゼルス・タイムズによると、13万人超が避難命令の対象となり、住宅など9千棟以上が損壊した。

バイデン氏は山火事の拡大の原因になった強風が来週まで続く可能性があるとして、警戒を呼びかけた。山火事の初期対策費用については、「連邦政府が180日間、全額負担する」と述べた。

山火事は7日、西部の高級住宅街パシフィックパリセーズなどで発生。強風で火の手が急速に広がり、一時は消火用水が不足する事態に陥った。ハリウッドに隣接するハリウッドヒルズなどでも山火事が起き、タレントのパリス・ヒルトンさんらセレブの邸宅も焼失した。

一方、トランプ次期大統領は9日までに、自身の交流サイト（SNS）に「ロサンゼルスが全滅する！」と投稿。「無能な知事をこれ以上許すのはやめよう」と同州のニューサム知事（民主党）らを非難した。バイデン政権が温暖化対策などで予算を無駄遣いしたため、災害対応の予算がなくなったとも主張した。