ウォルズ・バンス両氏の米副大統領候補討論会、個人攻撃抑制で政策論争「驚くほどの節度」
産経ニュース / 2024年10月2日 16時30分
【ワシントン=渡辺浩生】11月の米大統領選に向けて1日に行われた民主党のウォルズ・ミネソタ州知事と共和党のバンス上院議員による副大統領候補討論会は、双方が個人攻撃を抑制する展開となった。主要争点の論争では互いの主張にうなずき合う場面も。敵意がむき出しとなる場面が多い大統領候補討論会と比べ、「驚くほど節度があった」と欧米メディアが評した。
握手で始まった討論会。好感度をめぐる世論調査で劣勢が続くバンス氏は特に、政敵を糾弾するスタイルを抑え、ウォルズ氏の発言を落ち着いた表情で傾聴し、静かに反論する姿が目立った。
人工中絶の権利をめぐって共和党が規制強化を進めていると批判されたバンス氏は「各州に判断を任せるべきだ」と主張。ウォルズ氏が知事として人工中絶の権利を認めると同時に子育て支援を重視してきたと訴えると、「知事、あなたと同意見だ」と応じた。
学校などで相次ぐ銃乱射事件をめぐり、ウォルズ氏が自身の17歳の息子が公民館で銃撃を目撃したと明かすと、バンス氏が「知らなかった」と述べ、銃暴力から子供を守る重要性で両者は一致した。
淡々と進んだ討論では司会者が両氏の過去の発言を問いただす場面も。ウォルズ氏は、1989年6月の天安門事件の最中に訪中していたとの過去の発言が虚偽と報じられていたが、司会者の確認に「中国にいたのは(その年の)夏であり、口が滑った」と認めた。バンス氏もトランプ氏の政策を批判した以前の発言との整合性を問われ、「私はトランプ氏を誤解していた」と釈明した。
終了後、両氏は互いの夫人も交えて再び握手。米紙ワシントン・ポストは「両氏はほめ合い、同情し、国が最も分断する課題に関する主張で同意したことを認めた」と指摘し、9月10日にハリス副大統領とトランプ前大統領による大統領候補討論会とは「対照的だった」と評価した。
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