米国防長官「中国はインド太平洋を支配する意思を持つ」 軍事力強化へ強い懸念

【ワシントン＝坂本一之】オースティン米国防長官は３日、ハワイで開かれたインド太平洋軍司令官の交代式に出席し、「中国はインド太平洋を支配する意思を持つ」と述べ、中国の軍事的覇権の拡大を牽制（けんせい）した。中国の脅威に対抗するため日本やオーストラリアなど同地域の同盟国や友好国と防衛協力を強化していく考えも改めて述べた。

オースティン氏は中国に関し「ますます威圧的な行動をとり続けている」と指摘。具体的な場所として、台湾海峡や東・南シナ海に加え、太平洋島嶼（とうしょ）国やインドと軍事衝突を起こしている係争地を挙げた。

中国は「インド太平洋を支配し、世界秩序を作り替える意思を持つ」などと述べ、同国の軍事力強化に対する強い懸念を示した。

また、インド太平洋地域の安全を「北朝鮮やロシア、暴力的な過激派グループが脅かしている」とも指摘。同地域を管轄するインド太平洋軍が同盟国や友好国の部隊と連携していく重要性を強調した。