米、過去最大規模のウクライナ軍事支援9460億円 パトリオットのミサイル供与
産経ニュース / 2024年4月27日 17時9分
【ワシントン=坂本一之】オースティン米国防長官は26日の記者会見で、ロシアの侵略を受けるウクライナへの軍事支援に関し、地対空ミサイルシステム「パトリオット」用のミサイルなど過去最大規模となる60億ドル(約9460億円)相当を新たに供与すると発表した。防空装備を強化し砲弾なども支援する。ただ防空システムによる迎撃はコストが高く、戦闘が長期化する中で財政的な負担も課題となる。
24日に成立した約600億ドルのウクライナ緊急支援予算から拠出する。
新たな軍事支援は、防空装備として高性能地対空ミサイルシステム「NASAMS」用のミサイルや対無人機システムなども供与。露軍の占領地奪還に向け高機動ロケット砲システム「ハイマース」用弾薬や155ミリ砲弾、攻撃用の無人機などを支援する。レーダーや戦闘用車両も供与する。
ロシアによる新たな侵略抑止を確認
オースティン氏は会見で、防空装備の重要性を指摘し、24日に発表した10億ドル相当の軍事支援を含め「ウクライナ防衛への永続的なコミットメントを示すものだ」と強調した。
オースティン氏は会見に先立ち、ウクライナの防衛支援を巡る関係国会合をオンライン形式で開催。支援継続やロシアによる新たな侵略を抑止していく重要性を確認した。会合でウクライナのゼレンスキー大統領は、都市の人命を守るため「少なくとも7基のパトリオットが必要だ」と緊急支援を求めた。
オースティン氏は会見で、パトリオットの追加供与に向けて欧州の国などと協議を進めていることを明らかにした。
防衛産業から装備を購入して送る
26日発表の支援は、米軍の在庫から装備を素早く供与するものではなく、防衛産業から装備を購入して送る「ウクライナ安全保障支援イニシアチブ(USAI)」の枠組みで、実際の供与までに時間がかかる。
また防空装備を巡っては、戦闘が長引く中で欧米側の財政的負担がさらに膨らむ可能性もある。
米欧は露軍のミサイルや無人機の攻撃を防ぐ装備の供与を進めるが、一般的に攻撃兵器よりも防空システムや迎撃ミサイルの方がコスト高になることが多い。
軍事専門家からは、従来の防空装備よりもコストが抑えられるマイクロ波やレーザーで無人機やミサイルの攻撃を防ぐ装備の必要性を指摘する声も出ている。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ゼレンスキー大統領、軍事支援の早期到着求める NATO事務総長と会談
産経ニュース / 2024年4月30日 20時45分
-
米、9460億円の支援表明 対ウクライナ、過去最大規模
共同通信 / 2024年4月27日 9時49分
-
米国の追加支援でウクライナ軍はどう変わるか パトリオットにF16戦闘機、砲弾枯渇状態に恵みの雨、
東洋経済オンライン / 2024年4月24日 18時0分
-
イランのイスラエル攻撃でウクライナが嘆く理由 NATO非同盟国への対応の違いが招く戦争リスク
東洋経済オンライン / 2024年4月19日 9時40分
-
米、ウクライナに防空システム関連装備売却 最大1.38億ドル
ロイター / 2024年4月10日 10時7分
ランキング
-
1水原一平被告が司法取引に合意し罪を認める 専門家「ほぼ全面降伏」「取れるものだけは取って(禁錮)20年~30年は回避したイメージ」
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月9日 16時32分
-
2無所属ケネディ氏、過去に「脳の一部を寄生虫に食べられた」と主張 米紙
AFPBB News / 2024年5月9日 14時22分
-
3台湾・頼清徳次期総統「台湾有事は日本有事」に「独立を図るものだ」と中国反発
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月9日 18時23分
-
4ハマス受諾の休戦案「拒否」 イスラエル、米に伝達
共同通信 / 2024年5月9日 9時42分
-
5尹氏、日韓関係「忍耐し前進を」 対日重視の姿勢変わらず
共同通信 / 2024年5月9日 13時38分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください