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ハンガリー、中国接近で独自の存在感発揮図る オルバン首相 EU・NATO結束に影響

産経ニュース / 2024年5月9日 16時8分

【ロンドン=黒瀬悦成】中国の習近平国家主席が8日に訪問したハンガリーのオルバン首相は、中国との関係強化を背景に欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)で独自の存在感を発揮したい考えだ。ハンガリーは7月からEU議長国を半年間務める予定で、同国の親中・ロシア路線が中国対応やロシアのウクライナ侵略への対抗に向けた欧州の結束に深刻な影響を及ぼす恐れがある。

習氏は8日付の地元有力紙への寄稿で「(中国とハンガリーは)不安定な国際関係の中で共に苦労してパワー・ポリティクスに反抗してきた」と指摘し、ハンガリーが米欧を向こうに回して「独自外交」を推進してきたことを称賛した。

一方、オルバン氏の側近の一人は8日、「ハンガリーと欧州が競争力を高めるには中国との良好な関係の促進が必要だ。デカップリング(切り離し)ではなく協力を」とX(旧ツイッター)に投稿し、欧州市場からの締め出しを警戒する中国の意向を代弁するかのように主張した。

ハンガリーはEU加盟国で最初に中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に参加し、中国の投資を積極的に受け入れてきた。4月に北京を訪れたハンガリーのシーヤールトー外相は、中国による自動車産業を中心とする15億ユーロ(約2500億円)規模の投資計画が進められていると表明。習氏には今回、数百人の経済使節団が同行しているという。

EU各国は議長国となるハンガリーが、電気自動車(EV)などを中心に欧州市場への食い込みを図る中国の「代理人」となることを警戒している。議長国は議事進行や議題の設定で大きな影響力を持つためだ。

EU諸国は、中国が露産原油購入や軍民両用の電子機器などの提供を通じてロシアのウクライナ侵略を支援していることにも懸念を強め、対中制裁の強化を視野に置くが、ハンガリーの意向でそうした措置が棚上げされる可能性もある。

ハンガリーの親露姿勢も大きな懸案だ。EUが域内で凍結したロシア資産の利息をウクライナ支援に活用することで合意したのも、ハンガリーが議長国となる前に駆け込みで実現を急いだ側面が強い。

シーヤールトー氏は今月8日、NATOが先に打ち出した総額1千億ユーロ規模の大規模軍事支援について「常軌を逸した取り組みだ」として、不参加の意向も表明している。

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