「外部由来の金属片で機体損傷」 アゼル機墜落で予備報告書 ロシア軍の誤射を示唆
産経ニュース / 2025年2月5日 8時57分
カザフスタン運輸省は4日、同国西部アクタウ近郊で昨年12月に起きたアゼルバイジャン航空機の墜落に関する予備調査報告書を公表した。報告書は、同機が墜落に先立ち、外部由来の多数の金属片により損傷したと指摘。機体制御に必要な油圧システムなども損傷で作動を停止したとした。一方、機体が金属片で損傷した経緯などに関しては調査を続けるとし、現時点で墜落原因を断定しなかった。
報告書は、墜落が操縦ミスや鳥との衝突などによる事故でなく、外部要因によって引き起こされたとする見方を強く示唆した形。「ロシアの防空ミサイルに誤射された」とするアゼルバイジャンの主張を裏付けるものとなった。カザフ政府は調査完了次第、最終報告書を発表するとしている。
報告書は、操縦士と、当初の目的地だった露南部グロズヌイの空港管制官らとの通信内容も記載した。それによると、操縦士は着陸に先立ち、管制官に「GPS(衛星利用測位システム)を喪失した」と伝え、GPSを使った着陸ができないと説明。その後、管制官と対応を協議している最中に「鳥と衝突し、客室で爆発が起きた」「操縦不能だ」と報告した。操縦士は露国内空港への着陸を断念し、アクタウに向かうことを決めた。
報告書はまた、ブラックボックスの解析結果として、機体損傷前の同機にはGPSを除き異常はなかったと結論付けた。
当時のグロズヌイ周辺では、露軍がウクライナ軍のドローン(無人機)攻撃に対して防空システムを稼働させていた。このため、GPSが機能しなくなった原因は露軍のドローン妨害だったとする見方が出ている。操縦士が報告した「鳥との衝突」に関しても、機体付近で防空ミサイルが爆発した衝撃を誤認した可能性が指摘されている。
墜落は昨年12月25日に発生。乗客乗員67人のうち、機長を含むアゼルバイジャン人とロシア人、カザフ人の計38人が死亡した。プーチン露大統領はアゼルバイジャンのアリエフ大統領との28日の電話会談で「露上空で悲劇が起きた」と謝罪し、一定のロシアの責任を認めた一方、誤射の可能性には言及しなかった。(小野田雄一)
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