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12年ぶりに対馬の仏像返還 「ルールに基づく関係前進の契機に」日韓議連・長島幹事長

産経ニュース / 2025年1月24日 16時52分

韓日議連の朱豪英会長=与党「国民の力」所属

長崎市対馬市の観音寺から韓国人窃盗団に盗まれ、韓国に持ち込まれた県指定有形文化財「観世音菩薩坐像」が24日、同寺に12年ぶりに返還された。超党派の日韓議員連盟幹事長を務める長島昭久首相補佐官(自民党)は産経新聞の取材に「日韓国交正常化60周年の年初に関係者の努力で返還が行われたことを非常に前向きにとらえたい。日韓関係を前進させる一つにきっかけにできればいい」と歓迎した。

仏像は2012年10月に盗まれ、韓国で13年に窃盗団から回収された。しかし、浮石寺(忠清南道・瑞山)が数百年前に倭寇に略奪されたとして所有権を主張し、韓国政府に引き渡しを求め提訴。韓国で返還に反対する世論が起こり、日韓関係がこじれる要因となった。韓国の最高裁は23年10月に観音寺に所有権を認めたが、返還手続きは進まなかった。

今回返還が実現したのは、観音寺と浮石寺側で交渉を進めたのに加え、日韓議連も韓国の与野党でつくる韓日議連と協議するなど、慎重に外堀を埋めた経緯がある。

長島氏は「ルールに基づいて両国間で努力し、ここまでこぎつけたことは有意義だ。韓日議連の朱豪英(チュ・ホヨン)会長らの貢献に深く感謝したい」と強調し、ルールに基づいた両国関係を発展させる契機にしたいとした。

ただ、仏像は直接対馬に戻ってくるのではない。像の安寧を祈る「法要」を希望した浮石寺に5月まで貸与される。

返還手続きに立ち会った観音寺の田中節孝前住職(78)によれば、浮石寺側は韓国国内の反発など想定外の事態が起こったとしても、法要後の返還は強く約束したという。田中氏は産経新聞の取材に「韓国仏教界や朱会長の男気と覚悟があったから受け入れた」と話している。(奥原慎平)

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