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比例代表の当選者はどう決まる?

政治山 / 2017年10月20日 12時0分

小選挙区と比例代表の選挙を同時に実施

 衆議院議員選挙の投票では、候補者の名前を書いたり政党名を書いたり、なんだか複雑です。これは小選挙区制による選挙と比例代表制による選挙を、異なる別々の選挙として同時に実施するためです。この選挙制度のことを「小選挙区比例代表並立制」といいます。

 小選挙区では、有権者は候補者の名前を記入して投票し、1つの選挙区につき最も多くの票を得た1人が当選します。一方、比例代表では、有権者は政党名を記入して投票し、選挙に届け出た政党には得票数に比例した数の議席が配分されます。

 では、比例代表の当選者が、どのように決まるかを見てみましょう。

政党が名簿を作成して届け出

 比例代表では、政党が作成した名簿を中央選挙管理委員会に届け出て、有権者はその政党に対して投票します。そして得票数に応じて各党に議席が配分され、その数だけ名簿に登載された候補者から当選者が決まります(各党の議席配分方法)

名簿順位を決める指標は「惜敗率」

 衆議院議員選挙では、小選挙区と比例代表の両方に立候補(重複立候補=ちょうふくりっこうほ)できるため、各党が作成する比例名簿には比例代表のみの候補者と重複立候補者が共存する場合があります。比例代表のみの候補者は名簿順位が決まっていますが、重複立候補者の場合は、名簿順位を政党が決めるケースと、小選挙区の戦績によって決まるケースに分かれます。

 小選挙区の戦績によって決まるケースは「惜敗率(せきはいりつ)」という指標を用います。惜敗率は、小選挙区で落選した候補者の得票数を、同一選挙区での当選者の得票数で割って算出します。名簿順位が同一の場合は、この惜敗率が高い順に候補者を並べて順位を決定します(惜敗率の計算方法)

名簿内順位の決め方

 比例名簿内順位の決め方について、例を使って説明します。

【○○党の候補者の内訳】
 小選挙区候補者  :A、B、C、D、E
 比例代表単独候補者:F、G
 重複立候補者   :B、C、D、E

 選挙結果は次の表の通り。○○党は比例代表で3議席を獲得しました。
重複立候補の当選者の決め方

 重複立候補の当選者は次のように決まります。
(1)小選挙区の結果
・小選挙区で当選したB候補の当選が確定
・小選挙区のみに立候補して落選したA候補の落選が確定

(2)比例代表の結果
・小選挙区と比例代表に重複立候補している候補(B、C、D、E)の惜敗率を計算
・惜敗率を元に比例名簿の順位を決める

(3)名簿順位の上位者から当選を決定
○○党は比例代表で3議席獲得したので、名簿順位の上位3人(E、F、C)の当選が決定

<ポイント>
・E候補は、惜敗率が低くても名簿順位が1位のため当選。
・F候補は、比例単独候補で名簿順位も2位のため当選。
・名簿3位には3人が同一順位で登載されており、小選挙区で当選したB候補を除いて惜敗率で順位を決め、C候補が当選。

 やや複雑ですが、私たちが投票した1票はこのように計算されて、比例代表での当選者が決まるのです。

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