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震災から30年 未来につなげる行動を

食品新聞 / 2025年1月14日 10時28分

1995年1月17日、夜明け前の暗い部屋で突然、轟音とともに押し寄せる大きなたて揺れに身体を跳ね上げられた。何が起こったのか分からないまま部屋から飛び出し、家族の無事を確認した。新しい情報が入るたびに被害が拡大する様子を知り、一瞬で平穏な日常を奪う地震の恐ろしさに足が震えた記憶がある。

▼阪神・淡路大震災が起こった当時、古い木造家屋の多くが倒壊。高齢者だけでなく、神戸で下宿生活を送っていた若者も多数亡くなった。あの日を教訓に、建物の耐震基準をはじめ法律やインフラ、救護体制、物資輸送など災害に関するあらゆるものが見直された。

▼一昨年、神戸市内に本社を構える食品企業の9社が「食べとう?KOBE」を発足した。ライフラインが断絶され、心身ともにストレスが大きい時に、限られた水や備蓄食料を使い、元気が出て安心できる食事を紹介している。震災を経験した人が集まる企業だからこそできる、防災食提案の在り方かもしれない。

▼震災の記憶は30年経つと急速に風化すると言われている。「忘れない」「伝える」のはもちろん、普段から災害の知恵を持ち「次に備える」ことが、震災を風化させず未来につなげる行動として大切だと感じる。

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