即席麺市場 割安な袋麺が好調 牽引役はロングセラー
食品新聞 / 2025年2月5日 13時16分
即席麺市場が堅調に推移している。日本即席食品工業協会がまとめた2024年(1~12月)の総需要(袋麺・カップ麺の合計)は0.9%増、2年ぶりに前年を上回った。もともとコスパが強みの加工食品だが、物価上昇による節約志向の高まりで存在感がアップ。特に袋麺が3.1%増と伸びが大きく、取材では「消費者の価格感度が高まる中、1食当たりの割安感が支持されている」(上位メーカー)との見方が多く聞かれた。
過去10年で最大数量
24年の総需要は59億115万食(生タイプ含む)だった。この数字は22年、20年に次いで歴代3位となる。
注目は袋麺が好調なことだ。カップ麺は38億7487万食、同0.2%減とわずかながら前年に届かなかったが、袋麺は20億2627万食、同3.1%増と高い伸び率でカバーした。
カップ麺の登場以降、袋麺は長期的なダウントレンドにあったが、コロナ禍で内食需要が高まった20年に17%増(19億8474万食)をマークし、22年に20億1855万食まで復調。昨年はその数字を上回り、過去10年で最大となった。
要因には節約志向の高まりがあるとみられる。22~23年に価格改定が実施され、スーパー等で店頭売価は上がっているものの、定番NB(ナショナルブランド)の特売価格は5食パックで328~398円程度がおおむね定着。1食当たりに換算すると65~80円で、カップ麺NBの特売価格(108~148円など)と比べても割安感が際立っている。
市場を牽引するのは各社のロングセラー。トップブランド「サッポロ一番」を擁するサンヨー食品は、4~12月累計で袋麺の販売が二ケタ近く増となったようだ。「塩らーめん」を筆頭に、「みそラーメン」「しょうゆ味」の3本柱が好調。
日清食品は、「チキンラーメン」「出前一丁」など定番商品の売れ行きが良い。なかでも直近は「日清焼そば」が伸長。同品としては約20年ぶりとなるテレビCM「GACKTと神の粉末ソース篇」を放映し、幅広い世代の注目を集めた。
東洋水産は、「マルちゃん正麺」が23年度下期から堅調な販売ペースを維持している。東日本を中心に「マルちゃんラーメン(しょうゆ味・塩・みそ味など)」「屋台十八番」も根強い人気となっている。
明星食品は4~12月で袋麺が一ケタ半ば増。なかでも「チャルメラ」が数年来の好調をキープ。「ちいかわ」とのコラボによる間口拡大をベースに、24年秋は国産ホタテ100%だしにブラッシュアップ、テレビCM等も効果的だった。
全12か月で前年クリア
小売店の販売データを集計したインテージSRI+でも袋麺の好調ぶりがうかがえる。24年1~12月の販売金額はカップ麺2.9%増に対し、袋麺6.1%増となった。価格改定(23年6月実施)の上乗せはなくなったが、袋麺は12か月すべてで前年を上回った。
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