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「美髪になりたい男子」が急増中。プロに聞く、今日からできる9つの超簡単セルフケア

集英社オンライン / 2022年6月9日 10時1分

前編では、美髪男子が急増している実情、男の美髪の最重要ポイント、頭皮と髪の危険サインチェック法、ツヤなしバサつき毛の実態について、美髪を追究する美容師で「Hair salon aruca」(福岡県北九州市)のオーナー・三谷遥さんに詳しく教えてもらった。後編では男性が自分でできるヘアケアについて、具体策をお届けする。

髪を濡らす前にブラッシングを

――前編では、美髪とは「毛髪にツヤがあり、指通りがよくサラサラしていて、ハリやコシがある様子」であり、それをつくってキープするには「毛髪の土壌である頭皮の状態がもっとも重要なポイント」とのことでした。

では次に、男性の美髪をキープする方法を具体的に、三谷さんに指南してもらいましょう。



(1) シャンプーの前にブラッシングを

髪の表面の汚れ、つまりフケ、ほこり、抜け毛などは、ブラッシングで7~8割は取り除くことができます。そのため、髪を濡らす前にブラッシングをしましょう。頭皮の血流を促すこともできるので、短髪の人もぜひ実践してください。

ブラッシングのコツは、力を入れずに、頭皮にブラシを押しつけない程度に、また、髪がブラシに引っかかっても引っ張らないようにすることです。頭皮は傷つきやすいので、「ブラッシングはそっと」を意識してください。

手順は、生え際からつむじに向かって、後頭部からも同様に下からつむじへ向かってまんべんなくブラッシングをします。ブラシの形状は、頭皮を傷つけたり毛が抜けたりしないように、毛先が丸いタイプを選んでください。

朝の手入れ時にもこのブラッシングから始めると、汚れやほこりが取れて、スタイリング剤がつきやすくなります。また、血流アップで爽快感も得られるでしょう。

なお、ブラシは1度使うと汚れやにおいが付着します。洗わないで翌日も使うと、逆にブラシから頭皮と毛髪に汚れとにおいが移ってしまいます。毎日の入浴時に、シャンプー剤で洗ってください。水洗いするだけでも汚れの多くは落ちます。

(2)シャンプー剤を選ぶ
男性のお客さんに、「妻の女性用シャンプーを使っても大丈夫?」とよく相談されます。とくに問題はありませんが、頭皮のべたつきやフケ、かゆみ、におい、パサつきが気になる場合は、男性向けのスカルプシャンプーを使用するとよいでしょう。

「スカルプ」とは頭皮という意味で、頭皮を健康に保つための、皮脂を洗いながらも保湿作用があるシャンプーだとうたわれています。乾燥肌用、脂性肌用、敏感肌用などがあるので、パッケージの記載をみて自分に合ったタイプを選びましょう。

(3)「予洗い」と「すすぎ」を重点的に
ブラッシングの次に、37~39度のぬるめのお湯で1~2分ほど、「予(よ)洗い」をします。さっと濡らす程度ではなく、この時点で、頭皮の汚れを落とすことを意識しましょう。ただし、40度以上の高温のお湯、ツメを立てる、ごしごしこするのは、頭皮への刺激が強いので絶対にNGです。

また、手に取ったシャンプー剤をそのままべたっと頭につけていませんか。頭の上で手でぐるぐると混ぜて泡立てるのもNGです。頭皮に洗浄成分が付着して刺激が強すぎたり、毛髪どうしがこすれ合ったりしてダメージになります。

顔を洗うときと同じように、シャンプー剤はまず、洗顔用の泡立てネットを活用して手のひらでお湯と合わせてふわふわに泡立ててから、つけてください。

次に、生え際からつむじに向かって、指の腹でそっと「フルーツを洗うようにソフトに」、毛髪を洗うのではなく「頭皮の汚れを落とす」ように、30秒ほど洗ってください。それ以上のシャンプーは頭皮の乾燥につながるのでNGです。

その後、シャンプー剤が残らないように、1~2分かけて念入りにすすぎます。とくに、生え際や耳の後ろのくぼみのすすぎ残しに注意しましょう。ここまでで4~5分です。1週間ほど続けると、予洗いとすすぎに重点を置く洗髪習慣が身につくでしょう。

(4)トリートメント、コンディショナーはつける?
トリートメントは、毛髪内部のダメージを修復したり、保湿成分を浸透させたりします。ただし、髪の短い人は頭皮がべたついたり、髪がぺたんとなったりしやすいので、「トリートメント」や「洗い流さないトリートメント」などは必要ありません。

髪が長くてバサバサ、ボサボサ感が気になる場合は、髪質に適したタイプのトリートメントを使用してください。バサつきを抑え、もつれ毛や切れ毛をケアしてツヤが出てくるでしょう。

頭皮は避けて、毛先の数センチだけに塗布します。髪の根元は生えてから時間が経っていないので比較的健康なのと、根元のボリュームダウンを避けるためです。

猫毛でボリュームもないしツヤもない…という場合は、コンディショナーを用いましょう。これらは毛髪の補修作用はありませんが、表面をコーティングします。

トリートメントよりぺたんとなりにくく、ツヤを出します。また抜け毛が気になる場合は、(6)のドライヤー後に「育毛剤」を塗布しましょう。

(5)スタイリング剤をつけている場合は2度洗いする
髪にワックスなどのスタイリング剤がついていると、シャンプーの泡が立ちにくくて汚れが落ちにくくなります。1度目のシャンプーでは髪の表面についているワックスやほこりなどの汚れを取る、2度目は頭皮の汚れを落とすというイメージで洗いましょう。

ツヤ出し、寝ぐせ予防にもなるていねいなドライヤー術

(6) 放置や扇風機はNG、ドライヤーで乾かす
洗濯物を干さずに置いておくと菌が増殖して不快なにおいを発するようになります。頭皮も同じで、水分を放置している間に雑菌が繁殖します。放置や扇風機で乾かすのはNGです。

まずはタオルドライをしっかりしましょう。このとき、タオルで頭をごしごしとこすらずに、タオルで頭を包むようにして、タオルの上から手のひらで水分を吸収させるようにします。

その後すぐにドライヤーの温風で、毛髪ではなく頭皮の水分を飛ばすように意識して、忘れやすいつむじや耳の後ろにも注意しながら全体に8割ほど乾かします。ドライヤーは頭から20センチ以上は離し、同じ場所ばかりにあてずに頭全体にまんべんなく風を行き渡らせましょう。

最後は冷風でさっと仕上げます。冷風は温風の刺激をやわらげてキューティクルを閉じるので、髪のツヤ出しに役立ちます。ていねいにしっかり乾かすと、寝ぐせもつきにくくなります。

(7)年中、紫外線予防を
男性は太陽の光が好きという人が多いのですが、紫外線は頭皮や毛髪に強いダメージを与え、抜け毛の原因にもなります。夏はもちろん、なるべく一年中、「通気性がいい紫外線カット99%以上の帽子」をかぶりましょう。

ただし、暑いときは汗を大量にかくので、屋内では帽子をとってさっとでも頭の汗をふいてください。私は男性にも日傘を勧めています。日傘の下では帽子不要で、気温も2~3度低いとされるので汗の量も減り、頭部を守ることになるでしょう。

(8)枕カバーはこまめに取りかえて清潔に
せっかくていねいに洗髪しても、枕カバーがにおう、べたついた状態だとそれが頭皮にうつってしまいます。また、寝ている間も汗をかくので、枕カバーは1~3日に1度は取りかえて洗濯しましょう。放置すると頭皮に雑菌が繁殖します。夏はとくにこまめに取りかえましょう。

(9)美容院に行く頻度
髪が短いほど、短い期間でスタイルが崩れやすく、ボサボサ感やダメージが目立ちやすいものです。美髪やスタイルキープのためには、美容院や理容院に行く目安を1ヵ月に1回程度とするとよいでしょう。悩みやトラブルがあれば、美容師・理容師に相談しましょう。

また、一度、美容院や理容院でヘッドスパを試してみるのもよいでしょう。プロの方法をよく観察し、セルフケアに取り入れられるメリットもあります。ケアの手順は主に、ブラッシング→頭皮のクレンジング→頭部のマッサージ→シャンプー→頭皮用トリートメント→頭部のマッサージ→洗い流さないトリートメントです。料金は店によって大きく異なりますが、目安として30分で2,000~5,000円、1時間で6,000~8,000円くらいでしょう。

――こうしたケアをどれぐらい続けると美髪になりそうですか。

三谷さん:頭皮の状態によりますが、まずは2週間を目安に続けてみてください。「意外と短期間でそれまでの状態との違いを実感した」という人が多いです。するとやる気がアップして継続できるものですよ。3ヵ月もすると、ヘアケアを生活習慣として定着させることができるでしょう。

――ありがとうございました。

男性の美髪への近道として実践するべきは、まずは頭皮の健康キープとのことです。そのための9つの具体策は、今日からすぐに実践できることばかり。ぜひ試してみてください。

構成・文 藤原 椋/ユンブル 取材協力・監修:三谷遥

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