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L’Arc~en~Cielの最高傑作はDUNE?「表に出たがらず、気難しく、その分プロ意識が高い職人」たちが日本の音楽シーンを牽引し続ける理由

集英社オンライン / 2024年3月31日 21時0分

現在、全国ツアー『ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND』を開催中のL’Arc~en~Ciel。いったいラルクは日本の音楽シーンにどのような影響をもたらしたのか。改めて振り返っていく。

ラルクがもたらした新たな日本バンド文化

3月31日放送の音楽番組『関ジャム完全燃SHOW』(テレビ朝日系)では、ロックバンド、L’Arc~en~Ciel(ラルク・アン・シエル)が特集される。ラルクがこれまで音楽シーンにどんな影響をもたらしたのか、振り返っていきたい。

1991年に、ベースでリーダーのtetsuyaがボーカルのhydeに熱烈なラブコールを送ったことをきっかけに、関西で結成されたラルク。その後、細かなメンバーの入れ替わりはありながら、この2人と、ギターのken、ドラムのsakuraの4人でバンドとしてのかたちがまとまり、1993年に1stアルバム『DUNE』をインディーズで発売。このアルバムがいきなり、日本の音楽シーンに多大な影響をもたらした。

古今東西の名盤1枚をピックアップして語り尽くすYouTube番組「名盤ラジオ」を運営する、タクヤさん、エヌゾーさん、ヒデキさんの3人は、『DUNE』について、「ファーストアルバムにして最高傑作」とも評する。

ゴシックで幻想的、まるで小説や絵本を読んでいるかのような没入感のあるアルバム『DUNE』。海外バンドの影響を感じながらも、後発だからこそできる完成度の高さが圧巻。今や、この路線でこれ以上の音が出せるアルバムは日本はおろか、世界にだってそうそうない。LUNA SEAの3rdアルバム『EDEN』とともに、当時の日本バンド界に漂っていた、“洋楽コンプレックス”を打ち砕いてくれた歴史的な1作品だという。

これを皮切りに、ラルクは日本音楽シーンに絶大な影響をもたらしていった。

「初期のラルクはX JAPANやLUNA SEAなど、当時のバンドシーンの中心だったエクスタシー系にあった暴走族文化のニオイがしない、新しい文化のバンドという印象でした。そして、90年代後半から2000年代前半にかけての“売り方”の部分が音楽業界に与えた影響はすごく大きい。シングル3枚(『HONEY』『花葬』『浸食 〜lose control〜』)同時リリースや、2週連続リリースなど、初めてこのタイプのロックバンドが“売れるための戦略”を取って、実際に大成功しました。音楽性のみならず、こういったバラエティに富んだ手法も後のバンドに影響を与えている部分だと思います。

もちろん、音楽性については、『神秘的で幻想的な雰囲気をまとって、日本人の琴線に触れる歌謡曲的な抒情性の高いメロディを有していて、非現実的ながらも映像的な、情景を描き出すような歌詞を歌う…』みたいな初期のラルクを形容する言葉は、まさにV系の雛形になっていますね。本人たちがどう思っているかは別として…。

また、日本のバンドはスターとそれ以外みたいに、メンバーのキャラクターがハッキリ分かれたバンドがほとんどだったけど、ラルクは全員がスタープレイヤーってところも衝撃でした。どの楽器に興味を持った人にも演奏してみたいと思わせるというのは、広く音楽界に対する大きい影響だと思います。この辺りは、LUNA SEAとも共通していますね」(タクヤ、エヌゾー、ヒデキ)

 ヴィジュアル系と呼ばれてブチギレたことも…

ボーカルのhydeがその歌唱力とルックスで目立つ一方で、tetsuya、ken、yukihiroの楽器隊も強烈な存在感を放っているラルク。tetsuyaにおいては、そのベース技術や“tetsuポップ”とも呼ばれる歌メロを意識したキャッチーな作曲センスのほかに、プロデューサーとしても抜群の才能を持っているという。

tetsuyaの魅力について、V系とヘヴィメタルが好きなCDコレクターで、今回、この記事のために貴重なCD写真を数多く提供してくれた“はじめ署長さん”が解説する。

「tetsuyaさんはバンドを売り出す戦略をよく練っていて、ラルクが早く売れたのは彼によるところが非常に大きい。『完全なものを求めているのでデモテープ等を配布しなかった』『ライブの本数を絞ってスケジュールを公表しないことでファンを食いつかせて、ライブに来ないと曲を聴けないようにした』といった戦略は彼が企画したものです。

完璧主義に近く、プロ意識が高すぎてインタビュアーにブチギレるなど、怖い一面もありますが、徹底的にやるその姿勢が、彼やバンドをここまで大きくさせたのでしょう。ビジュアル系と言われて、怒って帰っちゃった1999年の『ポップジャム事件』は有名ですが、最近でも2016年に開催されたV系のロックフェス『VISUAL JAPAN SUMMIT 2016』に、他の3人は出演したのに、彼だけ出なかったこともあります。そういう徹底的にめんどくさいところも魅力だと思いますね」

こうして、今や国民的ロックバンドにまで成長したラルク。現在は、4都市を巡る全国ツアー『ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND』を開催中だが、そのタイトル通り、ふだんはなかなか演奏しない“レア曲”を中心に構成したライブとなっている。

ここしばらくは、メンバーそれぞれがソロ活動に力を入れ、バンドとしての活動が不定期で限定的になっていた中で、ようやく訪れたファン待望の大型ライブ興行だ。

インディーズ時代から追いかけ、もちろん今回のライブツアーにも参加した、ファン歴32年を誇る古参ファンのひかるさんに、今回のライブの魅力を聞いた。

「ラルクのライブはマニアックな曲ばかりで演奏されることがほとんどないため、今回のテーマには驚きました。古参のファンとしては、ライブごとに1~2曲だけでもレアな曲が披露されるだけで感激するというのに…。いつもいい意味で予想を裏切るツンデレバンドなのが魅力で、なんだかんだで30年以上ファンを続けています。これからもきっと応援し続けると思います」

あまり表に出たがらず、気難しく、その分プロ意識が高く、常に新しいものを追究して職人のように音楽性を高めていくラルク。次は、どのような一手で、ファンをときめかせてくれるのだろうか。

取材・文/集英社オンライン編集部

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