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「汚され方ハンパない」「大便が壁に」「なぜか注射器が…」コンビニトイレが“地獄絵図”インバウンド客、酔っ払い、謎の高齢者…マナーが壊れた客にオーナー&従業員が悲鳴

集英社オンライン / 2024年8月4日 11時0分

現在国内に約5万7000店舗あるといわれているコンビニエンスストア。24時間営業のお店も多く、ときに急な尿意や便意に襲われた際の緊急の「トイレ」としても、とてもありがたい存在だ。だがこの「トイレ貸し出し」がオーナーや店員たちを苦しめている。コンビニトイレの現状を調査した。

〈画像〉「汚されることもイヤだけど…」コンビニオーナーが嘆くそれ以上のトイレでの迷惑行為とは…?

4回立て続けにトイレ掃除をしたバイト店員も

都内、とくに繁華街近くのコンビニは昼の間のみトイレを貸し出しをしていたり、そもそも貸し出し自体をしていない店舗も少なくはない。そんな中、トイレの貸し出し問題が深刻化しているのは観光地のコンビニだ。



「汚され方も、汚物もハンパないです」と嘆くのは、以前集英社オンラインでも取材したインバウンド客で溢れる大阪市日本橋の黒門市場近くのコンビニ店員だ。

「おそらく海外のお客様なんですが、便器の上にしゃがんで用を足すので、便器が靴跡などで汚れるんです。それも一人や二人じゃありません。また、大便が便器に付いてることもしょっちゅう。

便器内に収まってるのはまだ良い方で、なぜか床に落ちてたり、大便が壁についていたことも。また、せめてゴミ箱に捨ててくれたらいいのに、大便付きの男性用パンツや女性用ナプキンをこれ見よがしに床に捨てるのは勘弁してほしい。ある時は何用かはわかりませんが注射器が転がってることもありました」

ただし、コンビニのトイレ貸し出しを止めるのは店独自の判断ではできないようで、このコンビニでが最近、本部に窮状を訴えて貸し出しを中止したという。

また、年間を通して観光客の多い鎌倉周辺のコンビニでもトイレ貸し出しは平日のみで、土日祝日は休止している店舗が多い。JR鎌倉駅にほど近いコンビニ店員に聞いた。

「平日のみの貸し出しは4、5年前から始めました。2年前からは勝手にトイレに入られてしまうのを防ぐためにトイレのドアに暗証番号キーをつけて“事前にレジスタッフにお声掛けください”という注意書きを貼っています。水道代が月10万円以上になったこともあり、これらはすべて店の自腹ですからオーナーはきついと思います」

また、あまりにトイレ掃除が多かったことを苦にバイトを辞めたことがある20代の元店員にも話を聞いた。

 「僕が働いていたのは都内の総武線沿いの某駅から近い店で、そこは24時間トイレを貸し出していました。ある時“トイレ汚れてますよ”ってお客さんに指摘されてトイレ掃除した後、その1時間後くらいに見回りに行ったらまた汚れてて、その日だけで4回立て続けにトイレ掃除をさせられました。

他人が汚したモノの臭いやビジュアル的なショックって、けっこうメンタルにくるんです。トイレ掃除しにきたわけじゃないのでってその日に辞めました。もうコンビニでは働きたくない。やるなら住宅地とか客層のいいところがいいですね」

とはいえ、住宅地の中にあるコンビニのトイレもまた、違う問題を抱えていた。大田区の閑静な住宅地内にあるコンビニでバイトする30代の主婦は言う。

「手をどうやって洗ったかわからないけど、床を水浸しにして出ていくとか、なんなら蛇口を閉めない人もいます。

あと、近くでマンション工事が始まった時はひどくて、工事業者の方が汚れた靴で入店してきて、店内だけでなくトイレの床も汚していくとか。あと、近所に住んでるお爺さんで、なぜか毎日のようにトイレに入りに来る方もいますね」

杉並区内のコンビニ店員も「近所のカラオケ店の客がこちらにトイレを借りに来て、大便を撒き散らしたりゲロで汚されたことがある」と嘆いた。また、汚されるだけでなく盗難被害に遭うことも。同区内の50代オーナーは「一番困るのはトイレットペーパーが盗まれることです。戸棚にしまってある補充分も盗まれるので、本当に辟易しています」

現場から大ブーイングのコンビニトイレの“公共化”

このように、なぜかマナーの悪い客が集まりがちなコンビニのトイレだが、一方でコンビニが街のセーフティスポットとして機能している街もある。日本一の歓楽街、新宿・歌舞伎町周辺のコンビニはトイレを貸し出してはいないが、別のの問題を抱えていた。

通称“トー横”として有名なTOHOシネマズ周辺のコンビニの女性店員は言う。

「明らかにトー横キッズのような少年少女にはお酒は売らないように警察からも指導が入ってるので売りませんが、外国人がお酒を大量に買い、外で地べたに座って飲むなどは日常風景になってしまいました。

店内のゴミ箱の袋の入れ替えは2時間に一回ペースでも間に合わない時があります」

また、トラブルに見舞われた通行人を保護することも。

「喧嘩かなんかで男性に追いかけられてる女性が逃げ込んできて“助けて”と言われてバックヤードにかくまうことなんてしょっちゅうです。

ホストらしき男に追われて逃げ込んできた女の子とかも。でも長く居座られても困るので、女性がなかなか出ていかない時は警察に通報を入れて引き渡します。歌舞伎町のコンビニではあるあるです」

関東近郊のロードサイドでトラックも停められる大きな駐車場を完備したコンビニの50代のオーナーのAさんは「コンビニの社会的役割が大きくなりすぎている」と指摘する。

「以前、警察から当店の駐車場が薬物の受け渡し場所になっていたとかで捜査協力を求められました。防犯カメラを数日間分チェックし、怪しい動きの車を見つけ出し警察に証拠として提出しましたが、業務の合間で動画を見直すのは大変な労力でした。

また、郊外店で近隣に店がないからこそ、『駅から男性に付きまとわれてる』と女性が逃げ込んできたこともあります。コロナ禍で休業中に電気を消していた時は、近隣住民から『電気がないと夜は怖い』と言われたこともあります。コンビニは街の治安の向上にも大きく貢献してるんです」

また、Aさんは「コンビニは“ついでサービス”が多すぎる」とも言う。

「コンビニは小売業のはずなのに、利益率の低い収納代行から宅急便、メルカリ便まで新サービスが次々と増えて人件費との採算が年々合わなくなっています。それなのに本部は人件費を浮かせて利益を上げろと言い続けています。

トイレ掃除なんて、人件費は1回の掃除につき15分から30分ぶんとバカ高い上に利益ゼロです。本部はまともな人がトイレを使ってる想定しかしていませんが、ほとんどのコンビニのトイレの汚れは想定外ですから」

Aさんは「一部コンビニ大手はコンビニの公共化を進めているが、問題は山積みだ」と言う。

「昨今、神奈川の一部店舗でコンビニのトイレの公共化を実験的に開始しましたけど、本当に馬鹿げています。やるなら自治体による清掃業者の派遣や、清掃費用相当の支給などの支援策が必要不可欠。

店でバイト募集したって人なんて集まらないですから。コンビニ経営者の一番の悩みは人手不足ですよ。最近は本社がコンビニ店員専用の派遣会社を作ったりもしてますが、この派遣店員を使う時の手数料がすごく高いんです。身内相手に金儲けしてどうすんのって言いたいですよ」

コンビニのトイレに助けられた人は少なくないだろう。もう少しありがたみを感じながら大事に使うことを心がけたい。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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