〈ラン活最前線!〉「今思えば親のエゴですね」お盆休みはランドセル争奪戦というけれど…先輩ママたちは「焦る必要なし」小学生にデザインやブランドよりも意識してほしいコトとは…
集英社オンライン / 2024年8月18日 8時0分
小学校入学前の子どものランドセル購入のために行なう活動「ラン活」。お盆休み中はランドセルを求める家族連れがドッと売り場に押し寄せ、9月に入ると注文の受付を停止するメーカーも増えてくるという。ランドセルメーカーに「最新のラン活事情」を、そして街ゆくママたちに「ラン活」に対するリアルな声を聞くと、驚きの回答が多数、寄せられた。
入学して1年…ランドセルを買ってもらった小学2年生たちの今の気持ちは?
ラン活がもっとも盛り上がる時期は?
例年、お盆休みには多くの家族連れがランドセル売り場に押し寄せる。
最近のランドセルはカラーやデザインが多様化してきており、SNSやインターネット、カタログなどを通じて熱心に情報収集し、ラン活に勤しむママたちが多いとのことだ。
まずは、ランドセルメーカーに最新のラン活事情を聞いてみた。
約200種類80色以上の豊富なラインナップを展開する「フィットちゃん」でおなじみの「株式会社ハシモト」の広報担当者はこう語る。
「ラン活は年中さんの冬くらいからされている方が多いです。早い方だと、年中さんの夏休みに『ランドセルを見に行っていいですか?』というお問い合わせをいただくこともありますが、購入されるのは年長さんになってからが多いです。
一番売れ行きがよくなるのは年長さんの5月で、2番目が8月です。5月はゴールデンウィーク、8月は夏休みやお盆休みで親御さんもお休みが取りやすいことが、売れ行きがよくなる理由ではないかと考えられます。
8月を過ぎると『ラン活』熱は落ち着いてくる傾向にあります。各社で早期割引などの特典があるため、早めに購入する方が多いようです。各社7月くらいになると、すでに在庫がない商品や残りわずかの商品が多くなってきます。ほしいランドセルがある方は夏前にご注文していただかないと、ご用意ができない場合があります」
⾃社⼯場にて職⼈の⼿で作られたランドセルを全国に展開する「株式会社榮伸」の広報担当者もこう語る。
「一番売れ行きがよくなるのは5月ですが、一時期に比べると売れる時期が分散している傾向にあるため、夏休みやお盆に合わせて8月に購入される方も多いです。弊社で販売しているランドセルは5〜8万円台くらいで、一番よく売れる価格帯は5〜6万円台くらいです。
ただ、今はネットなどで安く購入することもできるので、他社では3〜4万円台くらいの商品もたくさん販売されています。
女の子には昔みたいに濃い赤や濃いピンクとかではなく、オフホワイトや薄いピンク、柔らかいグリーンなどの淡い色がすごく人気です。また、お花やハート、いちごの刺繍も同様です。
男の子に人気があるのは、黒色で縁の部分だけ赤や青になっているものや、ステッチの糸色が赤や青になっているものなど『2色使いのランドセル』です。最近だと、縁がシルバーやゴールドのものも人気です。
数年前までは、ランドセルを選ぶ際にお母さんの好みが反映されがちでしたが、最近はお子様が気に入ったものをそのまま選んで購入されるパターンが多くなってきています」
ママたちのランドセル選びのポイントは?
親たちの「ラン活」に対するリアルな意見はどうだろうか? タワーマンションが立ち並ぶ武蔵小杉駅周辺や都内の公園で、小学生の保護者を対象に街頭インタビューを行なった。まずは我が子が幼稚園に通っていて、母子ともに「ピカピカの一年生」に期待を膨らませるママたちだ。
「うちは今年の5月に予約しました。なるべく早いほうがいいかなと思ったので。来年の5月に届く予定です。値段は7万円でした。6年間毎日使うものだから娘の意見を一番大事にしましたね。色やデザインは娘が選びました。茶色で花柄の刺繍が入っているデザインです。届くのが楽しみですね」(年中女子のママ)
「娘が年中に上がったタイミングでラン活を始めました。今年の4月に行った展示会でたまたま娘が気に入ったデザインのランドセルがあったので、その場で予約しました。値段は6万円でした。周りのママ友と話していても、3月〜5月くらいに予約する家庭が多いですね」(年長女子のママ)
「上の子のときは5月に予約したんですが、そのとき人気のメーカーやデザインはすでに品薄になっていることもあったので、下の子のランドセルは3月に予約しました。早いところだと1月くらいから展示会があるので、それにも参加していましたね。選ぶ際は、軽さや機能性を1番重視していたんですけど、最終的には息子が気に入るデザインを購入しました」(年長男子のママ)
子どもが今年4月に入学したばかりのママたちも、我が子のランドセルについて満足げに答えていた。
「今はいろんなデザインや機能性のランドセルがあって、最初はすごく悩みましたね。息子が年中の1月くらいからいろんなメーカーのカタログを取り寄せて見ていました。結局、計15社くらい取り寄せました。
一番重視したのは軽さです。やっぱり、通学時にできるだけ負担が少ないほうがいいと思ったので。カタログの中から気になったメーカーが出展する展示会へ行き、購入するときは息子に『6年間ずっと一緒なんだよ! 一回買ったらもう替えられないよ!』と念押ししました」(小1男子のママ)
「うちはカタログで見て、気になったランドセルをいくつかレンタルして、娘が一番気に入ったものを年長の5月に購入しました。展示会や実店舗に行くよりも負担が少ないし、家でじっくり考えることができてよかったですね。第2子もレンタルサービスで選ぼうと思います」(小1女子のママ)
最近は実店舗で購入するのではなく、展示会やレンタルサービスで実物を見て購入する家庭も増えてきているとのことだ。一方で、ラン活に対して否定的な意見も多々あった。
一生懸命選んでも結局は…
「ランドセルなんて何でもいいのよ」
そう答えたのは、子どもの習いごとの送迎や、学童保育のお迎えに来ていたママたちだ。
「色とか、あれだけ悩んで買ったランドセルなんですけど、都内の公立小は入学したと同時に1年生は黄色いランドセルカバーをつけるんですよ。だから色もあってないようなもの。色よりも軽さとか利便性を考えることを勧めます。
コロナ禍以降、学校に水筒を持参するんですが『水筒入れ』のポケットがついているランドセルがあるんです。これはかなりオススメで、水筒を首掛けして事故が起こる心配がない。うちもそれにすればよかったと思ってます」(小2女子のママ)
「ラン活なんて、今思えばなんだったのかな…って思いますね。せっかく選んで買ったのに、今は玄関に放り投げられています。じいちゃん、ばあちゃんに10万円近いのを買ってもらって申し訳ないですね。
ママ友は龍の柄が入ったランドセルを子どもにねだられて買ってましたけど、途中で恥ずかしくなっちゃうんじゃないかな…」(小3男子のママ)
「今思えば完全にエゴですよ。うちの両親からすると初孫だったから、息子がランドセルを背負う姿をみんな楽しみにしていて、6月に高いのを買ったんです。1年生のときは重そうにいつも背負っていて大変そうでしたが、2学期にはありがたみも忘れて、いつも玄関前に放り投げられてます。
雨でびしょびしょだったり、なぜ?って場所に土がついていたり、まったく大事にされてませんね。セミの抜け殻や草が入ってたり、なかで水筒の中身やお弁当をブチまけたこともあります。安いのでよかったなって思います」(小4男子のママ)
最後に、父母を通して子どもたちにも自分のランドセルをどう思うか聞いてもらった。
「あのときはピンクがよかったけど、お姉さんになって紫とかがカワイイって思った。今のでもいいけど…そんなにこれじゃないとイヤとかはないかな」 (公立小2女子)
「はっきりいって重いのが一番イヤだよ。今思えばかっちょいいとかよりも軽いのがいい! なんならリュックサックがいい、ランドセルやだ」(公立小2男子)
年々早期化するラン活。期待とともに6年間ランドセルを背負い続けるのは言わずもがな、子どもたちである。デザインだけでなく、機能性や軽さも考えて選びたい。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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