「次の総理」ランキングで進次郎氏が石破氏を逆転! 霞が関は早くも後ろ盾・菅元首相の強権発動を危惧…一方で「進次郎構文」全開なら“使い捨て短命政権”の観測も…
集英社オンライン / 2024年8月29日 8時0分
20人の推薦人を確保し、9月6日の自民党総裁選の出馬表明に向けた準備を進めている小泉進次郎元環境相。世論調査の「次の総理」ランキングでは石破茂元幹事長と1位を争い、一気に本命候補に急浮上してきたが、この動きに動揺しているのが、野党第一党の立憲民主党や、政権を支えることになる霞が関だ。ただ、早くも「小泉政権が誕生しても、すぐに終わるはず」との観測も……。
自ら電話をかけて支持をお願い
岸田文雄首相が総裁選不出馬を表明したお盆明け、続々と発表された各社の世論調査に永田町はざわついた。「次の総理」ランキングでこれまで石破氏の次点につけていた進次郎氏が、石破氏と互角となり、一部では上回るようになったからだ。
「とくに、自民支持層では、日経新聞・テレビ東京の合同調査と共同通信の調査で、進次郎氏が石破氏を数ポイント上回りました。総裁選は国民全体ではなく、党員や議員による投票で結果が決まりますから、自民支持層でのリードは進次郎氏にとって好材料です」(全国紙政治部記者)
進次郎氏はすでに、菅義偉元首相やその周辺のほか、安倍派、岸田派、二階派などの中堅・若手議員からの支持を集めているが、さらなる支持拡大に余念がない。
「進次郎氏は自ら電話をかけて支持をお願いし、さらに議員票を伸ばそうとしています。別の候補につきかけていた議員が、世論調査を見て『勝ち馬』に乗ろうと、進次郎氏に乗り換えるといった動きもあるようです」(同)
この動きに危機感を抱いているのが、総裁選とほぼ同時期に代表選をする立憲民主党だ。立憲は4月の衆院3補選で全勝して勢いに乗ったものの、7月の東京都知事選で蓮舫氏が惨敗。
ここにきて朝日新聞の世論調査で、今後の政権のあり方についての回答のうち「自民党を中心とした政権」が前回の38%から42%に増える一方、「自民党以外の政党による政権」が48%から43%に減るなど立憲への追い風が止まった。一時は盛り上がっていた政権交代ムードが急速にしぼんでいる。
立憲議員は「国民人気の高い進次郎総理と戦えるという観点で立憲の顔を選ばないといけない。若いが軽いイメージもある進次郎氏に対して、こちらは重厚感や安定感で勝負しようと野田佳彦氏に傾く流れもできつつあるが、野田氏が維新に接近していることに対して、とくに関西選出の議員は怒り心頭。
野田体制になったら、党がバラバラになってしまうのでは。かといって、枝野幸男前代表では新鮮味がなく党勢は回復しないだろうし、若手の吉田晴美氏も経験がなさすぎるし……」と頭を抱える。
「進次郎構文」答弁&バックの大物の登場に霞が関は戦々恐々
また、進次郎政権誕生が現実味を帯び、動揺しているのは霞が関も同じだ。
これまで国会やインタビューなどでも「気候変動のような大きな問題は楽しく、クールで、セクシーに取り組むべきだ」「反省の色が伝わらない、そういう自分を反省したい」「(温室効果ガス排出を46%削減するという目標について)おぼろげながら浮かんできたんです。46という数字が」など、「進次郎構文」と揶揄される発言を繰り返してきた進次郎氏。
「環境大臣と総理では、発言の注目度の高さは段違い。丁々発止の予算委員会では総理の答弁が求められる機会が多々あります。進次郎構文で発言されたら、野党からの抗議でしょっちゅう審議が止まってしまうでしょう」(現役官僚)
能力に疑問符がつく進次郎氏を「周囲が支えれば大丈夫」との声もあるが、そのことにも霞が関は警戒を強めている。
「進次郎総理が誕生すれば、進次郎氏のバックにいる菅氏が再び力をもつことになるのは明らかです。また、河野太郎デジタル相も総裁選では進次郎氏のライバルとして戦いますが、『小石河連合』のよしみもあり、総裁選後に冷遇はされないでしょう。
菅氏や河野氏は『改革』を打ち出し、官僚に無理筋なことを求めてきました。とくに菅氏は、思い通りに動かない官僚を左遷してきたことで有名。岸田政権は官邸が力を持ちすぎず、霞が関にとってはやりやすかっただけに、進次郎政権誕生後が心配です」(同)
ただ、こうした不安の中で「救い」となっているのが、進次郎政権が短命で終わるとの見方だという。
「自民党としては裏金問題のイメージをできるだけ払拭し、進次郎ブームでひとまず、政権発足後すぐにあると予想される衆院選と、2025年夏の参院選さえ乗り切れればいい。
1年もたてば進次郎氏も飽きられるだろうし、『進次郎構文』の答弁を繰り返していれば、党内からも『進次郎おろし』が起きるのでは。そうなったら、自民党の顔はすぐに変わるでしょう」(自民党関係者)
そもそも派閥を味方につけているわけでもなく、党内の支持基盤も盤石ではない進次郎氏。人気にあやかりたい議員の後押しで首相になっても、支持率が下がれば「使い捨て」になってしまうというのだ。
政権運営は「楽しく、クールで、セクシーに」とはいかないか。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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