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「つらいと思ったら携帯置いて」元炎上議員・浪速のエリカ様こと上西小百合が “誹謗中傷”する人、される人に言いたいコト。自身の「国会ズル休み&不倫旅行疑惑」報道の真相も告白

集英社オンライン / 2024年9月16日 12時0分

衆議院議員時代、国会を仮病で欠席し、翌日に不倫旅行へ行った疑惑で、日本中から猛バッシングを浴びた上西小百合。2015年に維新の党(当時)を除名、その後は無所属議員として活動していたが、2018年5月からは芸能事務所に所属。現在は政界から引退し、テレビやラジオ、舞台を中心に活動している。かつて「浪速のエリカ様」との異名をとった彼女は、一連の騒動の影響でどんな目に遭ったのか、当時を振り返るとともに、昨今たびたび議論されている“誹謗中傷”について考える。

〈画像〉議員時代と比べると穏やかな表情にみえる現在の上西小百合のプライベートショットと当時、“天敵”と番組でたびたび盛りあがった元議員といえば…

守るどころか批判に回った元同僚議員

上西氏が一躍“時の人”となったのは、2015年4月のこと。当時、維新の党(現・日本維新の会)衆議院議員だった彼女は、一部週刊誌で「国会ズル休み疑惑」が報じられ、世間から猛烈なバッシングを浴びることとなった。

騒動がきっかけで、党を除名される憂き目に遭った上西氏だが、これには世間の誤解も多く含まれていたという。

まずズル休み疑惑については、党に正式な手続きを踏んだうえでの休みであり、診断書も取得していた。また、欠席した数日後に男性秘書と京都へ「不倫温泉旅行」に行ったのではといわれたが、実際は京都の首長や議員との会食や挨拶周りといった政務であり、「秘書との間に不倫関係はなかった」と上西は記者会見やインタビューで話している。

また、秘書本人もそもそも独身で、上西から「具合が悪い」との電話を受けて家に送り届けたあと、「そのまま当時交際していた彼女と旅行にいった」と記者会見や配信番組で語っている。

一方で、上西氏はこうした疑惑以外にも、元衆議院議員でタレントの杉村太蔵氏に対してTwitter(現X)上で更生保護に関する意見の違いから「馬鹿」と発言したり、2017年には一部のサッカーファンとトラブルを起こしたりするなど、「言いたい放題」の態度でたびたび世間を騒がせてきた。

日常的に炎上を繰り返す様子に「政治家としての姿から逸脱している」と批判が集まっており、当時は「自業自得」といった声が多くあった。

政界引退から7年が経ち、現在は芸能事務所に所属する本人に、改めていま何を思うか胸のうちを語ってもらった。

──「ズル休み」と盛んに報じられましたが、じつは事実とは異なる部分もあるそうで?

上西小百合(以下同) そうなんですよ。ズル休みでも旅行でもなかったんですけど、事実とは異なることでも、なんでもかんでも「疑惑報道」ってつけられてしまって。
「こんなことしていいんですか?」って言ったら「一応“疑惑”って書いているからね」って返されるなど、テレビもそういうのが許されていた時代でした。

今だと、コメンテーターがちょっとおかしな発言をしたら「問題発言だ!」とテレビから退場させられることもあるので、出演している方も慎重に発言されていますけど……。

特に当時のワイドショーの場合は、ほぼ私への独自取材なしで週刊誌などの記事を取り上げて、「こいつはダメだ!」と一方的に意見していることがほとんどだったので、悔しい気持ちで見ていましたね。

──特に頭にきた報道やコメントはありましたか?

もともと同期当選だった東国原英夫さんですね。私のことを取り上げて、かなり適当な、全然事実じゃないことをおっしゃっていたので、Twitter(現X)でも反論しましたよ。そしたら、そのワイドショーに直接呼んでいただきました。

外の世界ではハリウッドスターのような人気者 

──現在も恨みのような感情はあるのでしょうか。

はっきり言って、当時は「嘘ばっかりつきやがって!」と腹立っていましたけれども、振り返ってみると、東国原さんが好き放題に言ってくれたことで、私自身が発言できる機会が増えた面もあって。

「上西のことを何か言えば、本人が出てきて言い返してくるぞ」となって報道のあり方も変わってきたと思います。実際に「ズル休み疑惑」と書くようなメディアもだんだん減ってきました。

それによって、地元の方の見る目もだんだん変わってきた感じがします。記者さんとの繋がりができたり、政治に全然興味がないという若い世代の方が「国会で勉強会を開いてください」と連絡をくれたりもしました。

それに早稲田大学の学園祭トークショーにもお招きいただくなど、あれがきっかけで、けっこう動きやすくなったなとは思いますね。

──当初のバッシングに伴って、ネット上では誹謗中傷も浴びるようになったと思います。これについては、どのような思いで日々を過ごされていたのでしょう?

私、当時はTwitterをあまり使っていなかったんですよ。Amebaブログでちょこちょこ地元の活動とかをアップしていたくらいで、Twitterはそもそも利用方法がよくわかってなくて。コメントが来ても、「あ、そうやって見ているんや」くらいの感じでした。

でも、確かに誹謗中傷はすごくしつこかったし、「あ! コイツお騒がせの議員や」みたいなコメントはたくさん来ていて。ワイドショーで報じられるたびに、ピコンピコンと通知が鳴ってました(笑)。

──ネットでの執拗な誹謗中傷は、現実世界に何か影響はありましたか?

いや、それがまったく……。実際に物をぶつけられるとか、「お前コラ!」って言われるといったことは一切なかったです。特に多くの人って、どんな形であれ、テレビに出ている人がとても好きなんですよ。だからもう、テレビで東国原さんと喧嘩しているときなんかは、申し訳ないんですけども、大人気でした(笑)。

私、阪神ファンで野球が好きなんですけど、球場に観戦に行ったときなんて特にすごくて。帰りに、私がいるって気づいた人たちが、「私はハリウッドスターか!」って思うくらい、ブワァーって私が動くほうに動いてきたんです(笑)。試合後に2時間近く記念撮影をしていましたね。やっぱり日本は平和な国ですから、現実で「なんやお前!」って言ってくる人はいないんですよ。

「つらいと思ったらスマホを置いて」

──ご自身はさほど影響がなかったようですが、昨今、ネットでの誹謗中傷が大きな問題になっています。そのことについては、どう思われていますか。

議員は公人ですし、言ってしまえば年じゅう誹謗中傷されているようなものなので、比較的耐性があるのかなと思います。それに、議員には「こういうことがあっても支えていくよ」と言ってくれる秘書や地元の方がいるんですよ。だから孤独はあんまり感じませんでしたし、それほどつらくはなかったと思うんですよね。

ただ、やっぱり一般の方……誹謗中傷に遭われて自殺を考えてしまう方の中には、孤独を抱えている場合もあると思います。そういう方は、“切り離して考える”ということをしてほしいなと。

私も経験しましたが、ネットで「死ね」と言われているからといって、外で同じような言葉を浴びせられるかというと、それはない。ネットとリアルはまったく違うので、切り離して考えてみてほしいなと思います。

──現在はSNSをほとんど更新していませんが、これは誹謗中傷と何か関係があるのでしょうか?

政界引退後も、最初は政治や社会問題に関してよく投稿していたんですけど、なんか、あまりにも政界にいいニュースがなくて。心がクラクラして「1回休もうかな」と思ったんです。自分に向けられる言葉が嫌だったというよりは、社会や政治であんまりいい話がないな、と。

──誹謗中傷で悩まれている方や、そして心ない言葉を書き込む人に対してご意見をお願いします。

まず悩んでいる方には、「逃げることも大事」と言いたいですね。私の場合も炎上しているときほど「写真撮ってください」「握手してください」と言われましたし、しょせんネットは社会の一部です。そればかりに囚われずに、つらいと思ったらスマホを置いて、最悪な結果になる前にちょっと外に目を向けてみてほしいですね。

誹謗中傷の書き込みをする人には、脅しじゃないですけど、「開示請求とかでいろいろバレるよ?」「慰謝料請求されるよ?」と言いたい。私が批判されていた当時、ネットでの誹謗中傷は今よりも酷かったと思います。それは、匿名性が担保されていると皆が勘違いしていたからで、すごく過激で粘着質だった。

でもそれは幻想で、プロバイダ責任制限法に基づく開示請求で身元はバレる。コメントするにもリスクがあるということがさらに広まって、誹謗中傷がなくなっていけばいいなと。まぁ「どこまでが意見で、どこまでが誹謗中傷か」という問題もあるので、難しいとは思うんですが……。

今って昔に比べて「多様性」と口にされるわりには、自分と違う意見を一切受け入れない人も多いじゃないですか? でも、自分とまったく同じ意見の人なんていないし、家族とだって喧嘩するわけですよね。

なので、もうちょっと広い気持ちを持って、自分と考えが違うのであれば、しっかり意見交換してほしいです。違う意見を聞いたら自分を高められるし、それが勉強じゃないですか。インターネットに書かれているのは悪いことばかりじゃないと思うんで、そういうふうになっていけばいいなって思います。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班 

「維新に不祥事が多いのはその程度の人しか集まらないから」“浪速のエリカ様”こと上西小百合が永田町をぶった斬り!「政治の世界に戻りたい?」「現在、恋人は?」などいろいろ訊いてみた〉へ続く

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