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〈横浜・強盗殺人〉「もうモンストできない」親友が語った“闇バイト”22歳男のフツーすぎる素顔と“ホワイト案件”の罠

集英社オンライン / 2024年10月23日 19時38分

「私たち家族に危害が加えられたほうがマシだった」祖父が語った実行犯の素顔。高2で中退、税金滞納、家族仲は良好で…〉から続く

一連の闇バイトグループによる強盗事件で、横浜市青葉区の住宅に侵入、後藤寛治さん(75)を殺害し現金20万円などを奪ったとして神奈川県警に強盗殺人容疑で逮捕された宝田真月容疑者(22)=千葉県印西市=。写真で見る風貌や同居する祖父の証言(♯2で詳報)からは、凶悪事件の実行犯のイメージはない。ごく普通というより、内向的でおとなしい青年にしか見えない容疑者がハマり、抜けられなくなった闇バイト。SNSで容易に見つかる「ホワイト案件」に引っかかった容疑者の親友が、日常に潜む無間地獄の入口の恐怖について語った。

【画像】キャロット柄Tシャツでポーズをとる宝田容疑者

「最後に真月に会ったのは10月13日でした」

集英社オンラインに証言してくれたのは、宝田容疑者の幼なじみの同級生Aさん。小学校の頃の集団登校をきっかけに仲良くなり、それ以降もずっと親交を続ける親友だ。

高校時代も同じ焼肉屋のキッチンでアルバイトをし、今でも週に1度は互いの家を行き来し、ゲームをするなどをして遊んでいたという。それだけに、事件については寝耳に水だった。

「最後に真月に会ったのは(横浜の事件の2日前となる)10月13日でした。この時も普段と何ら変わりなく、2人で地元のお祭りに遊びに行き、近所の中華料理屋で食事をして午後8時すぎに解散しました。

当然、闇バイトなんてことは話題にも上らなかったし、お金に困っているという話もありませんでした。だから真月がニュースに出ていると聞いた当初は、逮捕されたとは思わず、事故に遭ったのかと心配しました。それくらい真月は、報道された強盗事件のような暴力とは無縁のタイプでしたから……」

事件の続報で、宝田容疑者が犯行に加担した経緯が徐々にわかってきた。

「真月が警察の取り調べに、『指示役に脅されて家族に危害が加わるかもしれないと考えたら断れなかった』と答えているのは本当の話だと思います。真月は嘘をつきません。おじいちゃん子でしたし、家族に迷惑をかけたくない、と考えたとしても不思議ではありません。

少なくとも事件の直前まで犯罪だとは知らなかったと思います。現に10月27日に俺の家族を含めてみんなで焼肉を食べに行こうと約束もしていましたから。俺の誕生日が近いからなんですけど。

事件を起こすことを知っていたらそんな約束はしないと思います。真月はおとなしくて優しいやつだったんで、ハメられない限り事件を起こすなんてしないと思います」

「同年代では稼いでいる方だったと思います」

宝田容疑者は、闇バイトに応募した理由について、税金を滞納していたとも供述しているが…

「税金のことは聞いていませんが、普段の真月はお金に困っているようなことはありませんでした。むしろ、同年代では稼いでいる方だったと思います。俺の友達でタバコを買えないような金欠のやつに『しょうがないな』とワンカートン買ってくれたこともありました。

安いランチですけど、真月がおごってくれることもたくさんありました。本人は手軽で早いというのもあって、ほっともっとの弁当を好んで食べていましたね」

親友には冗談や軽口も言うが、人見知りで交友関係も限られていたという。

「基本的に友達は俺とその周りの数人だけだったので、真月が派手にお金を使うようなことはありませんでした。

酒もほんの少し飲むだけで顔を赤くしてしまうし、高い店も行きませんしね。車は好きだったけど、ホイールをギラギラにしたりして改造してお金をかけるようなこともない。

スマホのゲームの課金にしても1000円か2000円くらいのものです。俺に付き合ってスロットをすることもあったけど、それも1000円とか2000円だけですぐに帰っていました」

祖父の証言にもあるように、宝田容疑者は毎日朝から仕事で多忙だったようだ。

「真月は週6で朝から仕事をしていたので忙しかったこともあり、好きなパソコンやゲームにもそれほどお金をかけてる印象もないですよ。ゲームはよくSwitchをやりましたが、スマッシュブラザーズとかモンスターハンターとかが好きでしたね。

あとは寝ることが好きでしたね。本当にお金のかかる趣味とかはなかったと思います。女性のいる飲み屋とか風俗とかにも行きませんでしたし。

それに俺のイメージだとお金の支払いの面においてもしっかりしていて、遊んでいる最中に『支払いしなきゃ』と車のローンなどをコンビニで支払っていました。だから税金のこととかもちゃんとしてそうだし、てっきり家族に渡して払っているのかと思っていましたけどね」

「指示役が許せない、1日でも早く捕まってほしい」 

Aさんが知る「真月」は、やはり強盗事件の犯人のイメージとはほど遠い人物だった。

「小学校の頃から誰かとケンカしたこともないし、暴力とか振るえるやつじゃないです。それどころか、誰よりも優しくて、俺が事故を起こして入院した時も、病室には親族しか入れなかったので、真月はしょっちゅう病院の前まで心配して来てくれたそうです。

真月自身は猫アレルギーなのに、知り合いが引っ越しで飼い猫を手放さなくいけなくなった時、引き取ってくれたこともありました。荷物を運ぶのに人手がかかる時も、真月はすぐに手伝いに来てくれますし、本当に誰かを傷つけられるような人間じゃないんです。

だからこそ事件と真月が結びつかないし、どうしたってハメられたとしか思えないんです。『ホワイト案件』なんて騙されて、何か簡単な物を運ぶことで高収入になると思って行ったのだと思います。でなきゃ自分の車でなんて行かないだろうし、そこで他に逮捕された人達とも顔を合わせて『ヤバい』って思ったはずなんです。

真月は『指示役とずっと通話していた』って供述していますが、もうその時には家族に危害が及ぶことを考えて逃げられなかったんでしょう。俺はこの指示役が許せないし、1日でも早く捕まってほしいです」

Aさんは接見禁止が解けたら「真月」に面会に行くつもりだ。

「会えたらなんて声をかけるかですか……。そうですね。『お前何やってんだよ。モンストできないだろ』って言いますかね……」

交友関係の限られた「真月」はAさんの家族とも親しかった。中学時代は卓球部で、動物好きで人に優しく、雑学の知識も豊富だったという22歳の“普通”の青年はしかし、強盗殺人という許されることのない罪を犯した。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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