〈チロルの中に虫がいた!〉悪質投稿主とチロルチョコの闘い再び…増えるSNSでの異物混入通報、ガセ投稿で風評被害も
集英社オンライン / 2024年11月6日 16時0分
今月5日、X上で人気チョコレート菓子「チロルチョコ」の中に生きた幼虫が動く動画が拡散され、波紋を呼ぶ事態となった。結果的に、誤解を誘発するような悪質な投稿であったことが発覚。しかし、対応が一歩でも遅ければ誤った情報が瞬く間に拡散され、企業の信用はガタ落ちしかねない。こうした悪質な投稿にユーザー、企業はどう対処すればいいのだろうか。
【画像】騒動からおよそ16時間後、寛大な対応をみせたチロルチョコ公式
〈チロルチョコに虫入ってた〉悪質投稿の真相
〈え待って…w チロルチョコに虫入ってた しかも生きてるし…〉
11月5日、こんな文面とともに、X上に投稿された一枚の写真と動画。そこには開封したチロルチョコの中に数ミリほどの黄色の幼虫がウネウネと動く様子が映し出されていた。
投稿はX上で大きな波紋を呼び、瞬く間に拡散。一部の投稿では2000万件以上の表示数に、約3万5000件の「いいね」が付くまでに発展した。そんな事態に、迅速且つ冷静に対応したのが、チロルチョコだ。
〈現在X上でチロルの中に虫がいたという投稿に関して、
投稿主様にDMを送り ご返信をお待ちしている状況です。〉
とした上で、続けて、
〈投稿のお写真は 毎年発売の季節商品と思われますが
今年は2週間後の発売のため、昨年以前に発売された商品と推察されます。〉
と分析。投稿主と利用者への謝罪と、早急に調査した上で報告する旨も綴られていた。騒動からおよそ16時間後、チロルチョコ公式X上で、
〈投稿主のご家族様とご本人からお詫びのご連絡をいただきました。
最近購入したという事実は誤認であること、ご自宅での保管状況がよくなかったことが確認とれました〉
との投稿がされ、事態は収束へと向かっていったのだった。X上ではこの一連の騒動に関し、
〈チロルチョコさん寛大すぎる〉
〈チロルチョコ、めっちゃ丁寧。企業アカウントのお手本レベル〉
〈突然、悪意としか感じられない投稿が発端となっての諸々のご対応お疲れ様です〉
〈誤報や勘違いであっても第三者へのイメージは残りやすい。ご対応本当にお疲れ様です。後でチロルチョコ食べます〉
〈チロルチョコの件見てるとパッケージ変えることって意味あるんやなって思ったわ〉
〈手ぬるい態度は貴社の信用問題となります 甘いのはチョコだけにしてください〉
と、チロルチョコの迅速な対応や企業姿勢への賛辞と、突然の悪質投稿の対応に追われることとなったことへの労りの声が続出した。
チロルVS悪質投稿、過去にも同様の被害
悪質投稿主とチロルチョコとの闘いはこれが初めてではない。
2013年6月にも〈芋虫が混入していた〉という投稿が写真とともに、当時のツイッター上で拡散されたことがあった。
その際もチロルチョコは同日中に公式ツイッターで該当商品について
〈現在、ツイートされている商品は昨年(2012年)の12月25日に最終出荷した商品で、
掲載されている写真から判断しますと30日~40日以内の状態の幼虫と思われます。〉
とコメントし、完全論破。
さらに〈詳しくはこちらのサイトをご覧下さい〉と、日本チョコレート・ココア協会の「よくある質問」ページのURLも添付。「どこで虫が入ってくるのですか?」という質問に関しては、近代的な設備と衛生管理の行き届いた工場で生産されているため、虫の卵や幼虫が入ることは通常なく、ほとんどが工場を出てから家庭で消費される間に侵入されていることを説明。
またチョコレートにつく虫は、「ノシメマダラメイガ」「スジマダラメイガ」などが代表的で、万が一誤って食べても人体に直接の影響がないことも丁寧に説明されていた。
幾度となくこのような悪質投稿の対応に追われるチロルチョコだが、実際のところはどう思っているのか。同社の広報担当者に率直な思いを聞いてみたところ、次のような回答がきた。
「弊社としてはSNSにて、お答えしている範囲の部分までしか お答えができない形となりまして
ご希望に沿えず 申し訳ありませんが ご了承頂けますと幸いです。」
電話もなかなか繋がらず、問い合わせが殺到している様子だった。文面からも対応に追われているのか、疲労感がにじみ出ているように感じた。
Xによる異物混入パトローラー、間違えれば刑事責任も
近年は飲食店などで提供された食べ物が腐っていたり、虫やごみなどの異物が混入していた場合、客がSNS上で発信することで、問題が発覚するケースが増えている。
昨年12月には、X上で〈マクドナルドの朝マックで注文したマフィンの中から(ネジの締結部分である)「ナット」が出てきた〉という旨の文面を写真付きで投稿。瞬く間に拡散され、マクドナルドが謝罪に追い込まれる事態にまで発展した。
またマクドナルドに関しては、昨年3月にゴキブリが、昨年12月にも虫が混入していたことが物議をかましていたが、いずれも発覚の発端は、X上の投稿だった。
さらに〈タレ瓶の中に虫〉という動画の投稿により、餃子の王将が卓上の調味料を撤去するに至ったケースもあった。
投稿により指摘された飲食店側は、風評被害や経済的損失はまぬかれない。
しかし、その一方で、今回のような悪質なイタズラ投稿があることも近年、問題視されている。良かれと思って投稿したとしても、内容が誤っていた場合は、名誉棄損罪や業務妨害罪など法的措置が取られ、投稿主に刑事責任が生じる事態にもなりかねない。
SNS利用者はそのことを肝に銘じるとともに、企業側も〝まさか〟の悪質投稿への迅速な対応を心がけていくべきだろう。
取材・文/木下未希 集英社オンライン編集部
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