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「この前強盗が来たんですよ(笑)」ブランド王ロイヤルの社長・森田勉のリーゼントの“中身”と年末年始の買取珍騒動

集英社オンライン / 2024年12月26日 17時0分

東京・新宿で、長年ブランド品・ジュエリーの販売、買取を行っている「ブランド王ロイヤル」。メディアに数多く登場する名物社長・森田勉氏に年末年始の買取業ならではのエピソードや、今では当たり前になった「結婚式の“前金制度”」について語ってもらった。

【写真】リーゼントは地毛!横から見た森田社長の頭部

「そうそう、この前強盗が来たんですよ(笑)」

年末年始といえば、買取業はいろんなエピソードが起こりがち。東京・新宿で店舗を構える「ブランド王ロイヤル」でもご多分に漏れず、さまざまな悲喜こもごもがあったと森田社長は話す。

森田氏(以下同)「いつもは買取7割、購入3割くらいなんですが、年末は9割1割くらいになりますね。

少し前まではとにかくド派手な金無垢なんかのロレックスが人気で、国内外から『ないですか?』って問い合わせがよくあったものなんだけど、今は反対。

あんまり派手すぎると恥ずかしいという流れになったのと、中国が不景気になったでしょう。売りに来る人の方が多くなっていますね」

故郷への帰省、親族へのお年玉、年末年始の大セールや福袋。年の瀬は何かと物入りだ。そんな年末の忙しさに紛れて、“怪しい人”が売りに来ることもあるという。

「例えば『もらった』と言い張って、ギャランティーカードがないケース。

うちは偽物はすぐ見抜いちゃうし、ギャランティーカードがないものはまず買い取りません。『申し訳ないのですが、うちでは規定で買い取らないようにしているんです…』とお引き取り願っています。

『イタリアに20年住んでいた』と言って、GUCCIの偽物を大量に持ってきた人間もいましたね。普通の人は騙せるかもしれませんが、新宿で40年近く鑑定をしている私には、かないませんよ。今話題のスーパーコピーも、すぐに見抜けますから。

また、天然ダイヤだと思って合成ダイヤを買わされていて、それを売りに来た人もいました。

そういうときに『これ合成で、ほとんど価値がないですよ』と伝えるのはちょっと辛いですけどね。宝石類は、いくらブランド品でも買ったときよりは価値が下がりますね」

そんなブランド品の中で、「買ったときより値段がつくのは、CHANELやHERMES、ROLEXくらいなんです」と社長は話す。特にHERMESは、昔のもので保存状態がよければすごい金額になるんだとか。

ブランド品の買取話に花が咲き始めた頃、社長は思い出したかのように、強盗事件について話を始めた。

「そうそう、この前強盗が来たんですよ(笑)。私からすれば顔に”強盗です”と書いてあるような、わかりやすい3人組だったんですけど。

店の前に車を止めて、当初3人で入ってきたんですね。店内の商品を見て、2人は出ていき、車に戻ったんです。

残った1人がカタコトで、ショーウインドーを指さして『この時計を直接見せてくれ』『はめさせてくれ』といい出したんです。『買うから、触らせてくれ』と。

これってよくある、時計をはめたらそのまま飛び出して、待っている車に乗って逃げる、という手口ですからね。

本当に購入する気があるんだったら、3人とも店に残って、座ってじっくり見るはず。

ですから私は『えー、私アルバイトなんで、勝手にショーケースを開けられないんです。ごめんなさい〜』って(笑)。結局無理だと悟ったのか、あきれたという顔をして出ていきましたけどね」

「結婚式の“前金制度”を作ったのは私」

そのトレードマークのリーゼントもあいまってか、今では有名人となった森田社長。実は「結婚式の“前金制度”」の産みの親なんだそう。それもそのはず、現在の「ブランド王ロイヤル」を開業する前は敏腕ホテルマンだった。

「大学卒業後、最初の就職先はホテルオークラでした。客室勤務を経て、2年後に経理課勤務となり、ホテルの不良債権の回収担当となりました。

今から50年ほど前で、指定も暴対法もない頃。暴力団、右翼、悪徳弁護士、総会屋などによる、脅しや暴力行使は当たり前でしたね。

殴られたり、スーツやワイシャツをビリビリに破かれたりしたものです。暴力団の事務所へ行って交渉したこともありました」

当時の森田社長は20代後半。現代のブラック企業でもありえない地獄のような職場だが、ほどなく交渉のコツをつかんだという。

「相手の話を聞いて、心を開かせる。”ホテルに非があれば減額”、”お金がないなら長期分割での返済”といった、具体的な案を提示するんです。すると、『お前は話が分かるな』と。おかげで創立以来の回収率を誇れるまでになりました。

また、現在は当たり前である結婚式の“前金制度”を作ったのは私なんですよ。

昔は結婚式も不良債権になりやすかったのです。『ご祝儀も入ることだし』と、どこのホテルもだいたい5万円程度の申込金で式を挙げていて、終わった後に費用を請求すると『お金がない…』と言い出されるなんてことも結構あったんですね。

そこで私は、式の前に料金の大半を入金してもらう制度を考案しました。『これはいい!』と、あっという間に都内のホテルに広まりましたね。

そんなこんなで結果、5年間で約10億円の不良債権を回収。オークラ始まって以来の2階級特進を果たすことができました」

そんな森田社長は交渉術だけでなく、営業でも頭角を表す。

「当時は夏になるとみんな海や山に行ってしまうため、都心の宿泊施設は閑散期でした。それに対しての対処策で、社長からホテルオークラの全従業員1500人に、閑散期にお客様を呼び込むキャンペーンの案を出すよう御触れが出たんです。

そこで私は、女性限定で1泊朝食付き、プール利用可、ワンドリンク付きで8800円というプランを考えました。告知のポスターを作成し、大手銀行や百貨店など、女性従業員が多い職場の社員食堂なんかに貼らせてもらいました。

そうしたら翌日から、ホテルの電話は鳴りっぱなし。結局、私のアイデアだけで約3000泊の予約に繋がったんです。

これがのちの“ホテルのレディースプラン”。これも私が生みの親なんですよ」

今では自然に使われている“ホテルのレディースプラン”や結婚式の前金制度も、森田社長のアイデアだったとは参りました!

では、そんな敏腕ホテルマンがなぜブランド品の買取業を…? 後編では、ホテルマンから買取業への転機、トレードマークの巨大リーゼントの誕生秘話について語ってもらった。

PROFILE  森田勉●1945年、東京生まれ。ホテルオークラ、ホテル小田急センチュリーハイアット(現ハイアットリージェンシー東京)勤務を経て、1985年、不動産仲介業「ロイヤルシステム」設立。1995年「ブランド王ロイヤル」を新宿西口にオープン。買取強化期間は社名を「買取王ロイヤル」に変更。メディア出演多数。また40年前からボランティア活動をライフワークとし、ロータリークラブ・東日本大震災・ユニセフなど、収益の一部を子ども食堂に寄付。「森田式少子化対策」の国家ビジョンを確立し、国とともに協議を行っている。

取材・文/木原みぎわ 

「30代は薄毛に悩んでいた…」ブランド王ロイヤル森田社長がリーゼントにした驚きの理由…そして数億円福袋の売れ行きは?〉へ続く

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