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〈おじさんパーカー論争〉「妹尾さんこそマナー違反」ビジネスマナー講師が反論「オフィスでも一概に不適切とは言えない」「行政機関も着用推進」

集英社オンライン / 2024年12月18日 17時50分

“40歳パーカーおじさん”発言で大炎上の女性インフルエンサーが反論「よくそこまで怒れますね?」「実家、パーカー工場なの?」〉から続く

「パーカー着てるおじさんおかしい」作家でインフルエンサーの妹尾ユウカ氏の発言に端を発した

〈画像あり〉発言に「けしからん」と言いながらも、ついつい魅了される色気たっぷりの妹尾氏、「パーカーださい発言」に対する著名人の反応…

“おじさんパーカー論争”が止まらない。是非をめぐって数々の著名人が参戦し、先日には当サイトでも妹尾氏本人を取材、その真意をたずねた。(#1)彼女はあくまでビジネスシーンにおけるパーカー着用が「おかしい」と答えたが、ビジネスマナーの専門家は真逆の見解を示した。

「社会に出る人として大丈夫なの?」と釈明も…

舌禍が起きたのは12月6日のこと。妹尾氏はビジネス系メディアのYouTubeチャンネルで「40歳近くになってパーカー着てるおじさんおかしい」などと発言し、自身のXでも「ジジイはパーカーでフラフラすな」と引用ポストした。

これが差別発言だと物議を醸すと、「ホリエモン」こと堀江貴文氏は自身のXで、「おじさんがパーカー着るなとか、若い子と交流するなとか言うのはエイジハラスメントじゃないですかね!!」などと怒りをにじませ、「色んな世代の、色んな民族の、色んな考え方を持ってる人がお互いをリスペクトし合って交流する社会がわたしは理想だと思います」とも諭した。

対する妹尾は、集英社オンラインのインタビューにて「これはTPOの話で、編集でカットされてる部分があるのですが。商談の時とかにもいるじゃないですか。ITとかベンチャー企業の方でパーカーを着る方が。そういうのってどうなの?みたいな。TPOの話で言っただけなんですよ。港区とかにいる“意識の高い系”のおじさん向けに話したことなんです」と釈明している。

「休日におじさんがパーカーを着ることについては私は何も言ってないんですよ」「昔、みんなスーツだったじゃないですか。だけど、いまIT企業に限らず、勤務中の服装が自由な会社が増えている背景もあって、パーカーを着てる部長とか、Tシャツで歩いている局長とか、40代社員なのにSupreme着てる人がフロアにいるのって、多様性と言われているけれど、見る人によってはだらしないというか。社会に出る人として大丈夫なの?って思います」など、あくまでビジネシーンでのパーカー着用に限った話だとした。

こうした意見に対し、「結論から申し上げると、オフィス内でのパーカーやフーディー着用は、一概に不適切とは言えません」と異を唱えるのは、日本サービスマナー協会の江頭美鈴講師だ。

行政機関もビジネスでのパーカー着用を推奨 

東映の元専属女優やアナウンサーという経歴も持つ江頭講師は、ビジネスマナーを教えるほか、心理カウンセラー、イメージコンサルタントなどとしても活躍。ファッションをはじめとした“他人から見た印象”に関する専門家だ。

「『一概に不適切とは言えない』というのはどういうことかというと、企業の方向性や業種によって違うからなんです。オフィス内の服装やマナーは時代とともに変化していて、今までダメだったものが良くなったりもするんですよ」(江頭講師、以下同)

江頭講師はこの具体例として、カジュアルさとは無縁なイメージの行政機関が、パーカー着用を推進している事例も紹介してくれた。

例えば公正取引委員会は今年10月、「テック業界の事業者の方々などに親しみを感じてもらえるよう」ということで、有志一同でパーカーを制作している。

江頭講師はこれについて、「公取委の職員有志が、『講演会やイベントではパーカーを着よう』『あそこでスーツを着るのは逆に違和感』として、自分たちでパーカーを作って着るぐらい、時代は変わってきているんです。公的な機関でそういった取り組みをしている意味は大きいですし、こうして活用されるのは素晴らしいと思います」と賛辞を贈った。

ここからはマナーとしての解説に入り、まず、「身だしなみは他者目線、おしゃれは自己目線」を「マナーの基本」とした上で、“身だしなみの三原則”である「清潔感・機能性・調和」を紹介。

この3つの観点から、ビジネスシーンでのパーカー着用について説明してもらった。

「まず機能性ですが、パーカーというのは動きやすく、すごく機能的にできている部分があります。調和の観点では、オフィスカジュアルの大切な部分である『企業ごとの文化や風土』が大切ですね。企業はそれぞれ目指している特徴のようなものがあって、パーカーやジーンズ、夏は短パン・TシャツでもOKの職場もあるんですよ。

清潔感は相手に対する敬意、他者目線という点で重要でして、スーツでもヨレていたりすると清潔感に欠けますよね。大事なのは、何を着るかではないんです」

実際のオフィスでのパーカーの着こなし例も、詳しく丁寧に解説してくれた。

「パーカーの下に着るインナーですが、Tシャツよりは襟があったほうがカジュアルさは緩和されるかと思います。ただ、パーカーを着られる方は楽にされたい方が多いと思いますので、ポロシャツのようなものがいいかもしれませんね。

『ファッションは3色以内に収めるのがいい』というのが定説です。色の数をあまり増やさず、モノトーン系だと綺麗に着こなせますし、違和感もありません」

妹尾の発言自体が「マナー違反」とも指摘

ジップ付きのパーカーに関しては、「上まで閉めたほうがカジュアルな印象は緩和される」としながらも、「ジップを開けてもネクタイをしていると、一見ジャケットにも見えますよね」とも提案していた。

また、記者が季節に絡めてウォームビズの観点から質問すると、マウンテンパーカーなどは首元が覆われるため、保温効果があると解説。これにより暖房の設定温度を下げることにつながるため、高騰する光熱費の節約や環境への配慮など、メリットも期待できるそうだ。

こうして専門的な見地から解説を続けていった江頭講師。その後には、妹尾の発言そのものが“マナー違反”との指摘も…。

「マナーで一番してはいけないことは、年齢や見た目など、自分で努力しても変えられないものを揶揄することなんです。妹尾さんが最初におっしゃった部分を取り上げると、やっぱり“おじさん”に特化してらっしゃっるので、そこが問題だと思います。

いまの多様化の時代では、いろんなタイプの方をちゃんと包摂し、『ダイバーシティ&インクルージョン』で手を繋ぎ合って、より良い社会・企業にしようという流れが世の中全体にあるんですよ。そのなかで、おじさんをイジるっていうのは、なんかもう全く面白くないなって。

反論されている方々も、パーカーについてだけでなく、世代間の分断で笑いを取ったり、おじさんの人格について言っていることを問題にしているのだと思います」

この「多様性」だが、江頭講師は最後までキーワードにしていた。

「いま、時代の流れとしてはやっぱり“多様化”で、『自分がどういうファッションをしていくのがいいのか』と個々が考えていくことが大事なんです。『商談だからスーツでないといけない』という考えは、本当に一昔前の考え方です。

企業でも『多様性』がただの言葉だけだったりしますが、企業が発展していく上で、これまでの単一的な考え方にこだわっていたら、もう絶対発展しないんですよ。
いまからでは対応が遅いくらいですが、いろんなファッションを受け入れられる土壌がしっかりできてくるといいなと思います。結局、いまは過渡期なんですよね」

“多様性”を目の敵にする人もいるが、そうした“おじさん”こそ、多様性によって尊重されるのだろう。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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