〈活動再開〉「1本売上1億円」伝説のセクシー女優、桜樹ルイのデビュー秘話「サイパンでのイメージビデオ撮影で騙されて、そのままズルズル…」
集英社オンライン / 2024年12月24日 17時30分
90年代を代表するセクシー女優だった桜樹ルイさん。その後はストリッパーとして活動も、31歳の時に引退し約20年ほど表舞台に出ることはなかった。そんな中、去年9月に突如としてXに降臨。さらにこの12月から80年代の伝説のセクシー女優、小林ひとみさんがママを務める銀座のクラブ「エルプリンセス」で働いているという。当時から今に至るまでを聞いた。
【画像】1990年、AVを出すことを条件として発売されたデビューシングル『Papillon』
もとはアイドル志望だった
「1作品出せば1億円売れる」といわれた伝説の女優・桜樹ルイさん。かつては「ギルガメッシュないと」(テレビ東京)や「トゥナイト2」(テレビ朝日)」などの深夜番組に出演し、サイン会を行えば300人もの大行列ができるほどの大人気女優だった。だが、もともとはアイドル志望だったという。
――セクシー女優に転身する前はどのようなタレント活動を行っていたのでしょうか。
幼い頃からアイドルになりたくて高3で『夕やけニャンニャン』のオーディションを受けました。歌のオーデジションでは河合その子さんの『青いスタスィオン』を歌いましたね。高校卒業後は事務所に所属し、3人のアイドルグループでデビュー予定でした。
デビューに向けて「東京レコーディングスクール」で歌とダンスの猛練習をしたのですが、そのうちの1人が挫折してデビューの予定が流れてしまったんです。
――それはショックでしたね。
はい。その後はイベントコンパニオンでバイトしたり、グラビアなどをしていました。当時はまだ桜樹ルイではなく「一ノ瀬雅子」って名前で活動していたんです。そんな中、マネージャーがついてこないサイパンロケのイメージビデオ撮影があって…そこでまあ騙されまして(笑)。
――騙されたとは。
カメラマンの方から「ギリギリの露出を狙いたい。あとで編集するから、手で胸を隠すのをやめて全部だしちゃおう」と。「そんなことできるの?」と思ったけど、スタッフの方にパスポートを渡してしまっていたので、この撮影をしないと帰れないと思って、言われるがままに撮影しました。でも、今思えばパスポートを預かっておくというのも、おそらく作戦ですよね。
――その後、その作品は約束どおり編集されて世に出たのですか?
いえ、編集されずにそのままヌードビデオが発売されてしまいました(笑)。しかも同じ業界の方から「雅子ちゃん、この後、アダルトビデオの契約も決まってるみたいよ」と言われて「えー!」となって。私の知らないところでアダルトビデオデビューが決まっていたんです。
事務所の人からは「イメージビデオみたいなものだから」と言われたのですが、もうヌードビデオも出てしまったし、やるしかないっ! と。
――嫌だとか抵抗感はなかったのですか?
なんというか、だんだん覚悟が決まってきたというか。その後、「歌手デビューさせてあげるからもう一度、アダルトビデオに出て」と言われ、1本も2本も同じだと思って出ました(笑)。その時ですね、桜樹ルイに改名したのは。
村西作品の『ホジッてください』が爆発的ヒット
――あの時代はそんなことがあったんですね。その後、デビューしてすぐ、トップ女優になったのでしょうか?
いえ、爆発的に売れたのは、村西とおる監督のダイヤモンド映像に移籍して出た初作品『ホジッてください』です。それまで擬似プレイだったのが、この作品で初めて本番行為の撮影をしたことで話題となったんですね。
当時のダイヤモンド映像は売上が会社のホワイトボードに書き込まれてて、黒木香さんとか松坂季実子さんといった名だたる女優さんと並んで、私の作品の売り上げ本数がドーンと上の方に書いてあるのを見ました。
――当時の村西監督は、女優さんたちを買い物に連れていき、ブランド品などを手当たり次第に買い与えたといった武勇伝があるようですが、実際そうだったんですか?
Netflixの『全裸監督』にそんなシーンがあったみたいですけど、実際には何千万円もの買い物を女優にしたなんてこと、一切なかったですよ(笑)。まあ、写真集を撮る時は惜しみなく高級ブランドの洋服を買って高級ホテルで撮影したりと、作品作りへのお金のかけ方や力の入れようはものすごかったですけど。
――実際、当時はどのくらいのギャラをもらい、どんな暮らしをしてたのですか?
毎月いくらと決まってたわけではないですが、だいたい200万円くらいをポンと渡されていたと思います。でも派手な遊びとかは全然しなかったですね。私は実家が貧乏だったので、コツコツ貯金するのが好きでしたし、実家に毎月20万円の仕送りもしてました。
家は当時、ダイヤモンド映像があった会社近くの1ルームマンションでした。お仕事のない日にも村西監督から「メシ、つくりに来い」って言われてスタッフさんのご飯を作ったりして。
――セクシービデオ出演はご両親などにはバレなかったのでしょうか。
もちろんバレました。お姉ちゃんから電話がかかってきて「あんた、出てるでしょ?」って。うちの父親は門限時間を過ぎると家の前で木刀を持って仁王立ちして待ってるみたいな雷オヤジだったので、お姉ちゃんから「お父さんが家に帰ってくるなって言ってる」と聞いて、数年間は連絡しませんでした。でも仕送りだけはずっとしていました。
――いい娘さんだったんですね。セクシー女優という仕事は、今よりも偏見の多い時代だっと思いますが、大変な思いをしたことはありますか?
いえいえ、今のようにネットなんてない時代ですから、全国各地にサイン会に行ってファンの皆さんとお会いできて、さらにご当地の美味しいご飯を食べられて、本当に楽しかったです。ただ、当時稼いだお金のほとんどは、当時お付き合いしていた男の人に使われてしまったんですよね…。
※
当時の桜樹さんの作品は新作が1本出れば1億円近い売上を出したというが、本人が手にした金額はセクシー女優引退までの2年間で1億にも満たなかったという。
後編では引退後から今に至るまでの空白の20年間について聞いた。
取材・文/河合桃子 撮影/井上太郎
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