火星に行く宇宙飛行士は「脳のダメージ」に注意!? 記憶障害や不安の可能性も
sorae.jp / 2016年10月12日 12時37分
NASAだけでなく、スペースXのような民間企業も計画を発表してる「有人火星探査」。火星に人類が降り立ち、いずれは移住のためにコロニーを建造する……なんとも夢の広がる話ですが、少し気になる研究が発表されました。なんと、「火星の有人探査はガンだけでなく脳へのダメージも想定される」というのです。
今回の研究は、げっ歯類の動物を荷電粒子(電荷を帯びた粒子)に晒すことで行われました。その結果、実験動物からは脳へのダメージ、神経系の炎症、記憶障害など、さまざまな症状が見られたというのです。この研究が本当なら、ちょっと火星には行きたくないですね……。
カリフォルニア大学のCharles Limoli教授は、「これは火星への2〜3年の旅を予定している宇宙飛行士にとって、良くないニュースでしょう。宇宙環境での滞在は、宇宙飛行士に特徴的な影響を与えます。荷電粒子が飛び交う環境にさらされることで中枢神経系に混乱が起き、活動性の低下や記憶障害、不安、憂うつ、判断力の低下が引き起こされる可能性があるのです」
特に気になるのが、放射線への露出が「不安の抑制機構」に影響をあたえることです。これにより、長期間の宇宙探査のあいだに宇宙飛行士はより不安を強く感じる可能性があります。かなりのストレス環境となることが予測される有人火星探査において、このような心理的な悪影響は大きな問題となりそうです。
今回の実験はげっ歯類で行われたので、必ずしも人間に同様な影響が出るとは限りません。もちろん人間で実験を行うわけにはいかないのですが、今後の宇宙探査で実際にこのような症状が確認されれば、何らかの対策が必要となることでしょう。
Image Credit: Slash Gear
■Mars astronauts risk brain damage says new study
http://www.slashgear.com/mars-astronauts-risk-brain-damage-says-new-study-11459536/?utm_source=rss&utm_medium=rss
この記事に関連するニュース
-
なぜ日本がアメリカ以外で初めて月面着陸する国として選ばれたのか? 「アルテミス計画」探査車開発の見返りに得た切符と、米中競争の影
47NEWS / 2024年5月20日 10時0分
-
火星での「サバイバル」は可能? 仏研究グループが「宇宙農業」の可能性を探る火星ローバーを提案
sorae.jp / 2024年5月2日 20時45分
-
中国、有人宇宙船ドッキング成功 米印に対抗、月面に基地計画
共同通信 / 2024年4月26日 10時2分
-
中国、有人宇宙船打ち上げ 35年までに月面基地完成
共同通信 / 2024年4月25日 22時42分
-
火星環境下の植物栽培に関してDigitalBlastと北海道大学が共同研究を開始
マイナビニュース / 2024年4月22日 17時20分
ランキング
-
1キー局決算で見えた「TVerによる驚きの配信収入」 50億円規模の事業が3割も4割も伸びている
東洋経済オンライン / 2024年5月20日 12時0分
-
2「家を借りられない」「老人ホームにも入れない」身寄りのない“孤独な高齢者”が増加する日本を待ち受ける残酷な未来とは
日刊SPA! / 2024年5月20日 8時52分
-
3クルマに加工された「謎のツブツブ模様」なぜ必要? どうして車種によって有無がある? 気になる「不思議な印」の役立ち方とは
くるまのニュース / 2024年5月20日 14時10分
-
4【青汁】血糖値、便秘、高血圧を改善… 夕食30分前に飲むと睡眠の質向上も
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年5月20日 9時26分
-
5白髪は禿げないのは本当? 目立たせないドライヤー活用法はあるのか?【プロに学ぶ「白髪染め」「白髪のぼかし」】
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年5月20日 9時26分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください