子持ち銀河のブラックホールで観測された”十字架”
sorae.jp / 2019年3月3日 21時59分
渦巻銀河「M51(NGC 5194)」のダイナミックに回転して見える腕は、宇宙を駆け抜ける壮大な螺旋階段のようです。この渦巻きの腕は沢山の若い星とガスや塵で覆われています。
この画像は、2005年1月にハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラ「ACS」の可視光と赤外線、Hα線で撮影した「M51」と「NGC 5195」で、2005年4月に公開されたものです。「ACS」は、渦巻銀河の壮大な全景を捉え、渦巻腕に散りばめられた若い星と黄色みかかった銀河核、そして吸い込まれている様な伴銀河を映し出しました。この銀河は「M51」単体で、または2つの銀河を合わせて「子持ち銀河」という愛称で呼ばれています。
観測されている多くの銀河は、螺旋構造がぼやけた様な形状をしていますが、この「M51」は、ハッキリとした2本の螺旋構造の腕を特徴とした少数の「グランドデザイン銀河」に分類されます。また、歪んだ形状と活動的な星形成領域は、伴銀河「NGC 5195」との接近遭遇が大きく影響したものです。
また、超大質量ブラックホールがあるとされる「M51」の中心核には、過去に直径約100光年の十字架の様なシルエットが観測され過去に話題になりました。
このシルエットは前景に存在するダストレーンであるとされますが、将来的には”子”である伴銀河を吸収する”親”が背負わされた十字架の様に思えてしまうのは、物語の見過ぎかもしれませんね。
Image Credit:NASA, ESA, S. Beckwith (STScI), and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA)
■Out of this whirl: The Whirlpool Galaxy (M51) and companion galaxy
https://www.spacetelescope.org/images/heic0506a/
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