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オリオン大星雲のすぐ近く、偶然描き出された「ランニングマン」

sorae.jp / 2020年6月23日 22時53分

HII領域「Sh2-279」、通称「ランニングマン星雲」(Credit: Adam Block, Mount Lemmon SkyCenter, and University of Arizona)

■今日の天体画像:HII領域Sh2-279

オリオン座の星雲といえば、地球からおよそ1500光年先にある散光星雲「オリオン大星雲(M42)」がよく知られています。オリオン大星雲の輝きと比べれば目立たないかもしれませんが、その三ツ星側の隣には、新たな星が形成されているHII領域のひとつ「Sh2-279」があります。

星雲の暗い部分の形が走る人物の姿にも見えることから、この領域は海外で「Running Man Nebula(ランニングマン星雲)」とも呼ばれています。「ランニングマン」の姿は電離した水素原子が発する赤い輝きによって描き出されており、その周辺は青っぽい恒星の光を反射するガスに覆われています。

Sh2-279は「NGC 1973」「NGC 1975」「NGC 1977」という3つの星雲に分かれています。2017年12月、NASAのX線観測衛星「チャンドラ」によって、NGC 1977の近くにある原始星「HOPS 383」で発生したX線フレアが観測されました。HOPS 383を研究したグループは、誕生したばかりの原始星に磁気活動が存在するかどうかは議論が続いているとした上で、このフレアがHOPS 383における活発な磁気活動を示す証拠と考えています。

ランニングマン星雲やオリオン大星雲だけでなく、馬頭星雲(Barnard 33)やエンゼルフィッシュ星雲(Sh2-264)、それに赤色超巨星のベテルギウスといった興味深い天体が集まっているオリオン座は、一般の人々から研究者まで、幅広く注目を集めています。

オリオン大星雲とその周辺を赤外線で捉えた画像(疑似カラー)。画像の上部にうっすらと「ランニングマン」が写っている(Credit: ESO/J. Emerson/VISTA.)

 

関連:原始星の強力なX線フレアをNASAのX線観測衛星「チャンドラ」が捉えた

Image Credit: Adam Block, Mount Lemmon SkyCenter, and University of Arizona
Source: アリゾナ大学 / アメリカ大学宇宙研究協会 / ESO
文/松村武宏

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