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恒星の光にかき消されてしまいそうなほど淡い矮小銀河の輝き

sorae.jp / 2020年9月11日 5時27分

■今日の天体画像:矮小銀河「PGC 39058」

矮小銀河「PGC 39058」(背景)と恒星「HD 106381」(右上)(Credit: ESA/Hubble & NASA)

こちらの画像に写っているのは「りゅう座」の方向およそ1800万光年先にある矮小銀河「PGC 39058」です。矮小銀河は数十億個ほどの恒星が集まった小さな銀河で、その規模は天の川銀河の100分の1程度。渦巻腕やバルジのような明瞭な構造は見られずぼんやりとした姿をしていますが、矮小銀河の一部には渦巻銀河や楕円銀河のように巨大なブラックホールが存在すると考えられているものもあります。

もっとも、この画像で真っ先に気になるのは右上の力強い輝きかもしれません。これはPGC 39058よりもずっと手前、およそ630光年先にある天の川銀河の恒星「HD 106381」です。まぶしさに思わず目を細めてしまいそうになるくらい画像には明るく写っていますが、肉眼では見えない6.7等級の星なので、地上から観測するには双眼鏡や小口径の望遠鏡が必要です。

肉眼では見えない程度の明るさの星の輝きと比べても、背後にあるPGC 39058はその光に圧倒されてしまいそうなほどの淡い輝きでしかなく、実際にその一部はHD 106381の輝きに隠されてしまっています。矮小銀河の観測の難しさを感じさせる一枚です。

画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡に搭載されている「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」によって撮影され、「今週の一枚」として2010年9月13日に公開されたものです。

 

Image Credit: ESA/Hubble & NASA
Source: ESA/Hubble
文/松村武宏

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