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初展示品あり。国立科学博物館「はやぶさ2」カプセル公開

sorae.jp / 2021年4月1日 10時47分

国立科学博物館 上野本館(Credit: PhotoAC)

国立科学博物館 上野本館(Credit: PhotoAC)

2021年3月27日より4月11日まで、国立科学博物館(上野本館)で企画展「小惑星探査機『はやぶさ2』-小惑星リュウグウからのサンプルリターン-」が開催されています。

「はやぶさ2」の地球帰還カプセルは、相模原市立博物館に続き2度目の一般公開となりました。入館と観覧の方法や、相模原からの展示内容の変更について紹介します。

入館と観覧の方法

入館のためには専用サイトからの事前予約が必要になっています。当日でも枠が空いていれば観覧予約可能です。詳しくは科学博物館サイト内「ご来館のお客様へのお願い・入館予約について」(https://www.kahaku.go.jp/news/2020/reservation/reservation.html)を参照して下さい。

3月31日現在、9時から16時の最終入館まで20分ごとに枠が設けられ、それぞれ120名が定員となっています。一度入館すれば観覧時間の制限はありませんが、再入館は原則としてできません。

「はやぶさ2」のカプセルは通常入館の予約で見ることができ、常設展の入場料で行ける範囲に置かれています。展示場所は地球館2階で、館内の待機列に並んで係員の指示に従って観覧することになります。混雑時は展示室への入室制限があるので、とりわけ週末に訪れる場合は時間に余裕をもって行くのがいいでしょう。

同じフロアに初代「はやぶさ」が持ち帰った小惑星イトカワの微粒子の展示もありますが、こちらは新型コロナウイルス感染症対策のため、現在休止中です。

展示品

カプセルに関わる実物やレプリカが展示されています。展示品を紹介します。

実物の展示
カプセル本体(前面ヒートシールド・背面ヒートシールド・インスツルメントモジュール・搭載電子機器部・パラシュート)
輸送用コンテナ2種
サンプルキャッチャ昇降器具および回転器具 レプリカの展示
サンプルコンテナおよびサンプルキャッチャ(実物大モデル) その他、参考映像や参考写真の展示

今回が初展示となるのは、サンプルキャッチャ昇降器具および回転器具の現物、サンプルコンテナおよびサンプルキャッチャのモデルです。
撮影可能なものと不可能なものがありますので、掲示や係員の指示に従って下さい。

後列のハンドル付き治具がサンプルキャッチャ昇降器具および回転器具。前列が、サンプルコンテナおよびサンプルキャッチャのレプリカ。(所蔵:JAXA、協力:国立科学博物館)

後列のハンドル付き治具がサンプルキャッチャ昇降器具および回転器具。前列が、サンプルコンテナおよびサンプルキャッチャのレプリカ。(所蔵:JAXA、協力:国立科学博物館)

サンプルコンテナ実物大モデル(所蔵:JAXA、協力:国立科学博物館)

サンプルコンテナ実物大モデル(所蔵:JAXA、協力:国立科学博物館)

サンプルキャッチャ実物大モデル(所蔵:JAXA、協力:国立科学博物館)

サンプルキャッチャ実物大モデル(所蔵:JAXA、協力:国立科学博物館)

小惑星リュウグウのサンプルは、インスツルメントモジュール中央部にあるサンプルコンテナに収められたサンプルキャッチャに入っていました。本物は公開されていませんので、展示品もあくまでレプリカです。ですが、同時に展示されているカプセル各部分と一緒に見れば、どこに収まっていたのかがよくわかります。「はやぶさ2」について知っていて、もっと色々見て見たいと思う人にとっては、これまでの報道写真と見比べることで「ここにあの黒い粒子が入っていたのか」と実感が湧くことでしょう。

インスツルメントモジュール。中央部の突起の中にサンプルコンテナ等が収まっていた。(画像:JAXA)

インスツルメントモジュール。中央部の突起の中にサンプルコンテナ等が収まっていた。(画像:JAXA)

サンプルコンテナ開封作業(画像:JAXA)

サンプルコンテナ開封作業(画像:JAXA)

サンプルキャッチャ(A室)内のリュウグウサンプル(画像:JAXA)

サンプルキャッチャ(A室)内のリュウグウサンプル(画像:JAXA)

少しダメージを受けている前面ヒートシールド

筆者(金木)は、相模原での報道公開でもカプセルを見ているのですが、それと比べると科学博物館での展示では前面ヒートシールドに少しダメージが加わったように見えました。表面は黒焦げになったアブレータが見えていますが、その「焦げ」がわずかに剥落しているのです。初代「はやぶさ」のカプセル展示でも、表面が脆くなっているために移動時の振動などでぽろりと落ちることがありました。アブレータの素材は大きく変わっていませんから、同様のことが起きているのでしょう。

JAXAでカプセルを担当した山田哲哉准教授は、以前記者説明会で「試料・資料としての貴重さと展示でのダメージリスクを天秤にかけると、いつまでも展示に出すわけにはいかない。前面ヒートシールドはいずれレプリカ展示に変えることを考えている」と述べていました。

新型コロナウイルス感染症の動向が悩ましい限りですが、本物が揃って見られる貴重な機会ですから、充分に感染対策を取って観覧するのもいいかもしれません。

 

※公開当初、メモリチップの展示はないと書いていましたが、その後展示ありとの確認が取れたため修正しました。

 

参考:国立科学博物館 企画展「小惑星探査機『はやぶさ2』-小惑星リュウグウからのサンプルリターン-」開催のお知らせ https://www.kahaku.go.jp/event/2021/03hayabusa2/

 

Image Credit: 所蔵:JAXA、協力:国立科学博物館
文/金木利憲

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