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ブルーオリジンが商用宇宙ステーション建設計画を発表、2020年代後半に運用開始予定

sorae.jp / 2021年10月28日 11時10分

商用宇宙ステーション「オービタル・リーフ」の外観を描いた想像図(Credit: Blue Origin)

【▲ 商用宇宙ステーション「オービタル・リーフ」の外観を描いた想像図(Credit: Blue Origin)】

ブルーオリジンとシエラ・スペースは現地時間10月25日、地球低軌道における商用宇宙ステーションの建設計画を発表しました。宇宙ステーションの名前は「Orbital Reef(オービタル・リーフ)」で、2020年代後半の運用開始が予定されています。

発表によると、オービタル・リーフは多目的のビジネスパークとしての運用が計画されおり、高度な自動化や再使用型の輸送システムなどを導入することで顧客の負担を最小限に抑え、微小重力環境における研究・開発・製造や宇宙旅行といった多様なニーズをサポートするとうたわれています。既存の宇宙機関をはじめ、共同企業体、宇宙プログラムを持たない国家、メディアや旅行会社、起業家などが顧客の一例にあげられています。

オービタル・リーフは国際宇宙ステーション(ISS)よりも100kmほど高い高度500kmを周回する地球低軌道(軌道傾斜角は“中程度(mid-inclination)”)に建設される予定です。人間が滞在する与圧部は研究区画と居住区画に分かれていて、基本構成ではISSの与圧部とほぼ同じ合計830立方メートルの内容積で10名の滞在者をサポートしますが、市場の需要に応じて拡張可能とされています。

商用宇宙ステーション「オービタル・リーフ」の内部を描いた想像図(Credit: Blue Origin)

【▲ 商用宇宙ステーション「オービタル・リーフ」の内部を描いた想像図(Credit: Blue Origin)】

発表にあわせて公開されたオービタル・リーフの想像図を見ると、与圧部を構成するモジュールの一部に地球に面した大きな窓が設けられる予定であることがわかります。オービタル・リーフの滞在者はこの窓を通して、壮大な地球の眺めや1日16回ずつ繰り返される日の出と日の入りを楽しむことができそうです。

計画には大型の軌道モジュールや大型ロケット「ニューグレン」を開発中のブルーオリジン、複数のモジュールをつなぐノードモジュールや再利用型の有翼宇宙船「ドリームチェイサー」を担当するシエラ・スペースをはじめ、研究モジュールや有人宇宙船「スターライナー」を担当するボーイング、研究分野のアドバイザリーサービスや公的支援を提供する国際的な大学コンソーシアムを率いるアリゾナ州立大学などの参加が明らかにされています。

 商用宇宙ステーション「オービタル・リーフ」の内部を描いた想像図(Credit: Blue Origin)

【▲ 商用宇宙ステーション「オービタル・リーフ」の内部を描いた想像図(Credit: Blue Origin)】

なお、地球低軌道での商用宇宙ステーション建設はオービタル・リーフだけでなく、アクシオム・スペースもISSを足掛かりに2024年の建設開始を目指す「Axiom Station(アクシオム・ステーション)」の計画をすでに発表しています。また、国家規模のプロジェクトとしては中国が宇宙ステーション「天宮」の建設に着手しているほか、ISSに参加中のロシアも独自の宇宙ステーション「ROSS」(Russian Orbital Service Station、直訳すれば「ロシア軌道サービスステーション」)の建設を視野に検討を進めています。

 商用宇宙ステーション「オービタル・リーフ」の外観を描いた想像図(Credit: Blue Origin)

【▲ 商用宇宙ステーション「オービタル・リーフ」の外観を描いた想像図(Credit: Blue Origin)】

 

関連:ドリームチェイサー宇宙船、シャトル着陸施設の使用締結 2022年打ち上げ予定

Image Credit: Blue Origin
Source: ブルーオリジン / シエラ・スペース
文/松村武宏

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