ミーアキャットが観測した天の川銀河。中心部を取り囲む未知の天体も捉える
sorae.jp / 2022年2月8日 21時26分
銀河の中心部では何が起きているのでしょうか?
可視光は星間ダストで遮られるため、光学望遠鏡ではよくわかりません。しかし、電波など他の帯域の光(電磁波)で観測すれば、銀河の中心部を画像化することができ、そこは非常に興味深く、活発な場所であることがわかります。
冒頭の画像は、南アフリカにある64台の電波望遠鏡「MeerKAT」が撮影した天の川銀河の中心部の最新画像です。満月の4倍(視直径2度)の広さを持つこの画像は、非常に広大で、深く、そして詳細です。
天の川銀河の中心が「いて座」(Sagittarius)の方向にあることから、「Sgr」という接頭語を持つものをはじめ、多くの既知の天体が鮮明に写っています。天の川銀河の中心には、画像中央の「Sgr A」があり、超巨大ブラックホールを内包していると考えられています。
関連:天の川銀河の中心にある超巨大ブラックホール「いて座A*」 いまだ研究途上で予測不可能なカオス状態
画像に写っている他の天体では、Sgr Aのすぐ左にあるアークや、多数のフィラメント状の糸など、あまりよくわかっていないものばかりです。
MeerKAT は、中性水素ガスから放出された電波や、遠方の電波フラッシュの探査などを目的としています。
また、MeerKAT は当初は20台の電波望遠鏡からなる「KAT」(Karoo Array Telescope)として計画されましたが、64台まで増築することが許可されたため、「MeerKAT」、つまり「more of KAT」と改名しました。この名前は、このKaroo地方に生息する「ミーアキャット」(学名Suricata suricatta)にも因んでいるとのことです。
Source
Image Credit:Ian Heywood (Oxford U.), SARAO; Color Processing: Juan Carlos Munoz-Mateos (ESO) NASA - Astronomy Picture of the Day SARAO - MeerKAT radio telescope文/吉田哲郎
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