「チリンチリンを鳴らす」や「酔って千鳥足」は、なんと道路交通法違反だった!
相談LINE / 2015年3月31日 21時15分
つい先日、店員の勘違いで釣り銭を多く貰ったお客が、それを申告しなかったとして、詐欺罪で逮捕されました。
このニュースは非常に珍しいケースとして多数のメディアでも取り上げられましたが、ここから得られる教訓は「知らなかったでは済まされない法律違反がある」ということではないでしょうか。
さて今回は、普段の何気ない行為が法律違反になるケースとして、交通事故問題を取り扱います。回答してくれたのは武蔵浦和法律事務所代表の峯岸孝浩弁護士です。
■チリンチリンは限られた条件でのみ使用を許可されていた!
まずは自転車や歩行者が日常的によくある行為の中で、実は道路交通法違反というケースを教えて下さい。
『日常的によくある行為でも、実は道路交通法違反に該当する行為は少なくありません。例えば、歩行者に自転車の存在を知らせようとして自転車のベルを鳴らすシーンをよくみかけますが、実は道路交通法違反になってしまいます。左右の見とおしのきかない交差点など特定の場所を通行するときは警音機(=ベル)を鳴らさなければなりませんが、そうでない場合は警音機を鳴らしてはいけないからです(ただし,危険を防止するためやむを得ないときを除きます)(道路交通法法54条第2項)』(峯岸孝浩弁護士)
進行方向に歩行者がいた場合にベルを使っていいものだと思い込んでいましたが、違ったんですね…。
『また、歩行者の場合、単にお酒に酔っているだけなら問題ありませんが、道路において酔って交通の妨害となるような程度にふらついてしまうと、道路交通法違反になってしまいます(同法76条第4項第1号)』(峯岸孝浩弁護士)
これも知りませんでした。いわゆる千鳥足が、交通の妨害となると道交法違反になるとは…。
■しかし実際にこういった行為で取り締まられている人を見たことがない
しかし、実際はこういった行為によって取り締まられている人を見かけたことがありません。
『実際には、現時点の運用では自転車や歩行者が道路交通法に違反する行為をしても、刑罰を受けるケースは少ないです。しかしながら、交通事故になり損害賠償請求事件に発展してしまうと、交通違反を理由にご自身に過失があったと認められてしまう可能性があります。すなわち、「被害者であれば賠償を受けられる額が少なくなる」、「加害者であれば賠償すべき額が多くなる」という危険が高まります』
『自転車といえども、歩行者に接触して怪我を負わせてしまうと、数千万円レベルの高額の賠償が認められることもあります。そのため、近年、自転車による交通事故の問題性について世間も注目するようになってきています』
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