同意の上で殺人って…想像を絶するような事情が存在しそうだけど立派な殺人?

相談LINE / 2015年7月16日 19時0分

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2015年4月2日、 名古屋市に住む18歳の女子学生が、インターネットで知り合った31歳の男性を、名古屋市から460kmも離れた島根県松江市で殺害したとして逮捕されました。その罪名は、聞きなれない承諾殺人とのことです。今回は、聞きなれない「承諾殺人」について考えみようと思います。

■殺人罪よりも、罪が軽い同意殺人罪

承諾殺人とは、人をその承諾を得て殺すことをいいます。ちなみに、人をその嘱託(依頼)を受けて殺すことは、嘱託殺人といいます。そして両者を合わせて、同意殺人といいます(刑法202条後段)。

同意殺人罪の法定刑は、6カ月以上7年以下の懲役または禁錮と規定されています。いわゆる被害者の承諾があることから、違法性が低いとして、死刑または無期もしくは5年以上の懲役とされている通常の殺人罪(刑法199条)と比較して法定刑が低く抑えられています。

上述した事件は、報道によると女子学生は男性から「殺してくれと頼まれて首を絞めた」と供述しているようです。女子学生の供述の通りであれば、男性からの依頼があったものとして、嘱託殺人に該当すると思われます。

■執行猶予となったケースも!

同意殺人罪の最近の事例は、無理心中しようとしたものの片方が死にきれなかったという事例が典型です。最近では、介護に疲れた妻が夫を殺してしまった、貧困にあえぐ母が子供を殺してしまった、といった事件が増加しています。

同意殺人罪は、裁判員裁判の対象事件です。
同意殺人の場合には、犯行に至る経緯や動機が重視されるところ、長年献身心的に介護を行ってきたとか、昼夜を問わず子供のために働き続けてきたとか、いった事情が重視され、執行猶予判決が下された事例も散見されます。

■社会的支援がまだまだ足りていない老々介護や貧困問題

人が人を殺そうとする、あるいは、人が人に殺すよう依頼する、に至るには、想像を絶するような事情が存在していると思われます。
しかし、どのような事情があるとしても殺人であることに変わりはなく、正当化されることはありません。
殺人を決意するに至る前に第三者に助力を求める、あるいは、周辺者も救いの手を差し伸べ思い留まらせられるように気を配る、ことが必要であると思います。

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