1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

損害賠償を請求する場合、どうして被害者に立証責任があるの?悪魔の証明とは?!

相談LINE / 2015年9月1日 22時30分

写真

「友人がお金を返してくれない」、「突然殴られて入院した」、「貸していた車を廃車にされた」、「交通事故に遭った」ーー揉め事があった場合、そもそもそれが起こった事実、またそれによって損害を被ったこと、そしてその事実と損害の間に因果関係があることを証明するのは被害者である。
被害者はそこで、立証責任を果たせないと、十分な請求が認められない可能性がある。なぜなら加害者も反論する可能性がありえるからだ。ではこれが逆に加害者に立証責任があった場合、どうなるだろうか。今回は、立証責任や主張責任、悪魔の証明などについて井上義之弁護士に伺った。

■主張責任、立証責任とは?

まずはそもそも立証責任と主張責任の意味を伺った。

「証明を要する事実の存在が主張されないことによって法律効果の発生が認められないという一方当事者が負うべき不利益を『主張責任』と言います」(井上義之弁護士)

「証明を要する事実の存在が真偽不明に終わったために法律効果の発生が認められないという一方当事者が負うべき不利益を『証明責任(立証責任)』と言います」(井上義之弁護士)

例えば、お金を返してくれないということを例にした場合どうなるだろうか。
段階として、まずはそもそもその事実(お金を返してくれない)を主張する必要がある。主張しないと、その事実はないものとされ、お金は一生返ってこないことになる。この不利益を主張責任という。
続いて立証責任は、その事実や主張(お金を返してくれない)が正しいかどうかが問われ、認められない場合によって生じる不利益を意味する。

■不法行為による損害賠償請求をする場合、立証責任は被害者にある!

ではどうして被害者に立証責任があるのか伺った。

「不法行為があった場合、被害を主張し損害賠償を請求する側が主張責任・証明責任を負うものとされています。その理由は、民法709条の体裁に加え、消極的事実の証明が困難であるためと考えられます」(井上義之弁護士)

消極的事実の証明とはなんだろうか。

「具体例で説明しましょう。XがYの過失により物を壊されたとして不法行為に基づいて損害賠償請求を起こしたとします」(井上義之弁護士)

「仮に、Yに証明責任があるとすると、Yは全く身に覚えのない話であっても、民法709条に該当する事実がないことを証明するという困難を強いられ、事実の不存在について真偽不明の場合敗訴してしまうことになりかねません」(井上義之弁護士)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください