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すべてが島耕作の真逆?最先端の働き漫画『株式会社マジルミエ』の魅力

日刊SPA! / 2024年2月5日 8時51分

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株式会社マジルミエ 1 (ジャンプコミックス)/集英社

いま一番お勧めのサラリーマン漫画は、『少年ジャンプ+』に連載中の『株式会社マジルミエ』です。お仕事要素と魔法少女要素を見事に融合させたこの作品は、サラリーマン漫画を代表するあの「島耕作」シリーズと見事に対照的な存在で、まさに昭和を完全に過去に葬る、令和のサラリーマン漫画の決定版といえるでしょう。
自己肯定感が低く、就活で落ち続けている大学生・桜木カナ。「怪異」とよばれる自然災害に巻き込まれた際に、窮地を救ってくれた魔法少女・越谷仁美に才能を見出され、「株式会社マジルミエ」に魔法少女として採用されます。

魔法少女とは、怪異現象の鎮静及び救助活動を行う仕事で、大手から中小まで500社以上が存在する人気業界です。その中でも超零細ベンチャーであるマジルミエは、魔法少女の女装をする社長・重本、ヤンキー気質の先輩・越谷、陰キャなエンジニア、不気味に気が利く営業マンという総勢4名の会社で、桜木カナは5人目のメンバーとして、就職してからすぐに現場に送り出されて経験を積んでいきます。

本作を島耕作シリーズと比較することで、令和ならではの働き方がくっきりと浮かび上がってきます。

◆大企業ではなくベンチャー企業

マジルミエは、重本社長が大企業を辞めて興したベンチャー企業です。島耕作が就職した初芝(のちのテコット)のような大企業とは異なり、労働環境も研修制度も整っていません。その代わり、新人でも現場経験をすぐに積める環境です。配属してすぐに過酷な現場仕事を任されることで、プロとしての成長速度が早まるのです。島耕作は入社後の研修が七か月間ありましたが、桜木カナは配属初日から現場投入され、一年間で目覚ましい成長を遂げることになります。

ホワイトすぎる企業は成長実感できずやりがいを感じられない、と辞める若者が増えている昨今、大企業よりもベンチャーこそが、働くことのダイナミズムを描く舞台にふさわしいのでしょう。

◆肩書ではなくチーム名

島耕作シリーズ最大の特徴は、島耕作が出世するとともに、作品タイトルが課長、部長、取締役と、役職の肩書でアップデートされることです。これは、会社内での出世と肩書こそがサラリーマンのアイデンティティだったことを端的に象徴しています。

一方で、マジルミエは作品タイトルが会社名そのものです。この作品は、マジルミエという零細ベンチャーの成長を描く、チームの物語なのです。会社メンバーのアイデンティティは職階ではなく職務にあり、更に新しい社員も少しずつ加わり、互いが信頼し補完し合って理想の会社=チームを大きくする過程こそが、物語の縦軸です。肩書よりもチーミングが働く動機付けになるという、これも令和ならではの働くスタイルでしょう。

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