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日ハム本拠地・エスコンフィールドに漂う“暗雲”。北海道ならではの「避けては通れない課題」が

日刊SPA! / 2024年2月28日 8時53分

 エスコンフィールドが大きなポテンシャルを秘めていることに疑いの余地がない。しかし、そのポテンシャルを発揮できずにいるのが現状だ。

◆「新駅開業」までには計り知れない機会損失が…

 むろん、こういった課題を解決するための動きはある。現在進められているのがボールパーク新駅の建設だ。だが、この構想は時間もコストも想像以上にかかってしまっているのをご存知だろうか。

 まず新駅建設の費用は85億円から90億円。100億円に迫る規模は首都圏での建設と同規模であり、首都圏以外ではほとんどが20億円以下だ。

 新駅は自治体の要望によって建設される請願駅となるため、費用のすべてを自治体である北広島市が自費、国や道からの補助、寄付にて工面しなければいけない。自治体がこれだけのコストを背負うのが容易でないのは言うまでもない。

 とはいえ、そのコストを削減することも不可能ではないという見方もある。有識者によると、ボールパーク新駅は工費20億円、工期2年で建設できるとの見方を示している。

 ただ現状を見てみると、ボールパーク新駅の構想が2019年12月に発表された後、費用面の調整が難航したこともあり、開業は4年後の2028年を予定している。

 つまり、これから4年間、エスコンフィールドはアクセスの悪さというウィークポイントを背負い続けることになるのだ。

 新駅が開業するまでの期間、アクセスの悪さによって失う観光客の数と機会損失額は計り知れないだろう。

◆アクセスする手段がなければ意味がない

 これは、筆者の専門領域であるECでも同様のことがある。

 仮に「よい商品」を作ったとしても、売り場に顧客が来なかったり、気づいてもらえない場所に出店していては意味がない。そこで企業は広告に投資するなどして、「よい商品」を見つけてもらうことで事業が成立するのだ。

 つまり、エスコンフィールドという「よい商品」があっても、そこにアクセスする手段がなければならない。

 参考までに、他球団の状況を見てみよう。

 エスコンフィールドと同じくプロ野球の本拠地である巨人の東京ドームは最寄りの水道橋駅や後楽園駅まで徒歩5分弱、阪神の甲子園球場も最寄りの甲子園駅まで徒歩5分程度で到着できる。

 このままだと、エスコンフィールドはアクセシビリティの問題で、そのポテンシャルを発揮できないまま、少なくない年数を費やすことになる。

◆エスコンフィールドにも共通する「道内交通の問題点」とは

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