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タクシー運転手が思わずイラっとしてしまう「客の第一声」。遅れたのは自分なのに…

日刊SPA! / 2024年4月4日 15時54分

「〇〇スクエア。急いでるから早く出せ」

 命令口調でふんぞり返っていた。カチンと来てもそこはベテラン。いちいち反応してもいらだつだけなので、すぐに車を出し、流れに乗って順調に制限速度+10㎞ほどで走っていると、

「おい、おまえナメてんのか?」

 男はイキナリ絡んできた。

「俺は急いでいるって言ったよな、なんでトロトロ左車線走ってるんだ? 右のほうが流れが速いじゃねーか」

◆Bさんが新人を装って謝罪すると

 これを難癖という。正直な話、どちらを走ろうとも到着時間はほぼ変わらない。でも、この手の輩に道交法の話をしても通じないこともよくわかっているし、会社の看板もあるので「申し訳ありません。乗り始めたばかりで不慣れなもので……」

 大人なBさんは新人を装い謝罪した。

「新人だろうがなんだろうが、こっちは同じ金払ってるんだ。関係ねーよ。甘えてんじゃねーよ。黙って言われた通りに走ればいいんだよ」

 男はさらに絡み続け、「いい年して新人なんて恥ずかしくないのか」と、俺様的な暴言が続いた。ドライバーは絶対に反論・反撃してこないと確信しての狼藉だった。Bさんはそれを受け流しつつ、運転席のシートを後ろから蹴るなどしたら、即座に最寄りの警察に目的地を変え、暴行罪でお灸をすえることも視野に入れていたという。

◆この車臭いと窓を開けた子連れ母がしたこと

 自分勝手という点では、筆者が冬の肌寒いお昼時に乗せた、小さな子供連れた母親の行動も香ばしかった。行先は1kmほど先のところだったが、走り出した途端、母親が後部座席の窓を開けた。すかさず子供が「ママ、寒いよ」と訴えた。

「だって、この車内臭いのよ、我慢しなさい」

 え、そんな臭いの? 自分ではまったく感じていなかったので驚いたとともに、後部座席で何か臭いがしているなら申し訳ないと、素直に謝罪すると、

「車内の臭いには気をつけなさいよ。掃除もちゃんとしてるの?」

 母親はピシャリと言い放った。そして目的地に着くと「ちょっと用を足してくるから待っていて」。

◆5分ほどして母親が戻ってくると

 子供を車内に残し、5分ほどして戻ってくると、次の目的地が指定された。すぐに走り出すと、何か袋を破るような音がして、子供が何か食べている音が聞こえてきた。そして母親のこんな声が……。

「ほーら、ちゃんとこぼさず食べなさい」
「ダメよ、ちゃんと手を拭いてー」

 信号待ちで何気なく後ろを確認すると、なんと母親がマッ〇のハンバーガーを子供に食べさせていた……。

 親子が降りたあと、車内には確実にハンバーガーの臭いが充満し、シートや床の数カ所にソースをこぼした痕まで残っていた。チェックしないまま次のお客さんを乗せていたら、大変なことになっていたはず。タクシードライバーの気持ちはこんな人たちとの出会いで、荒んでいくのであった。

<TEXT/真坂野万吉>

【真坂野万吉】
フリーライター。定時制で東京を走り回っている現役の中年タクシードライバー

―[カスハラ現場の悲鳴]―

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