元プラスマイナス岩橋も公表…強迫性障害を抱える漫画家(38歳)が明かす壮絶な体験「まさに生き地獄」
日刊SPA! / 2024年4月10日 15時50分
――症状の浮き沈みがあるのですね。
みやざき:回復したと思っていると、ふとしたきっかけでぶりかえすことがあります。
――再発したきっかけを教えていただけますか。
みやざき:ある会社で共用の食品に体液が混入されるという事件が起こり、それをSNSで知って、体液に対する恐怖が蘇ったんです。同じようなことをする人が他にもいるんじゃないかと思い……。スーパーで洗剤や飲み物を買う時も「この中に体液が入れられていたらどうしよう」と、恐怖を感じるようになりました。ちなみに、この恐怖は1週間ほどで収まっていきました。恐怖は時間が経てば小さくなっていきます。
◆漫画家デビューとともに訪れた「生き地獄」
――症状がピークだった頃の状況を聞かせていただけますか。
みやざき:2010年に(漫画の新人賞で)大賞を受賞したときのことです。念願が叶って嬉しいはずなんですが。私には、これまでの人生で早くに父親を亡くしたり、常にお金の心配をしていたり、何をやっても上手くいかないというマイナス思考が染みついていました。なので、大賞を受賞したときに、「この幸運のあとにとんでもない不幸が襲ってくるに違いない」と思ったんです。
その不幸が来る前に、死んだほうがいいんじゃないかと。自分のあらゆる行動から強迫観念が生まれ、常に耐え難い恐怖が襲ってくるんですよ。それはもう、「いっそ殺してくれ」と思うほどの恐怖でしたよ。そんな中、母が入院することになり、急激にやせ細ってしまいました。ガリガリに痩せた状態でも、漫画のアシスタントの仕事に行っていたんですが、電車がプラットホームに入ってくる音を聞くだけで倒れそうになっていました。
――寝ている間は気持ちが休まるのでしょうか。
みやざき:寝ないと恐怖が襲ってくるので、睡眠薬を飲んで寝ていました。でも、寝ていても悪夢を見るんですよ。まさに生き地獄でしたね……。
◆精神科に受診するも泣くことしかできない
――同居しているお母様は、みやざきさんの抱えている苦しみをどのように見てらっしゃいましたか。
みやざき:治療のことは私が自分で決めていて、母はいい意味で、あまりかまってこないですよ。母親の入院中に、私があまりにもやせて、常に不安を訴えるようになった時には心配になったようで。私は母から話を聞いた母の友人に病院の精神科に連れて行かれました。
――その病院で強迫性障害と診断されたのでしょうか。
みやざき:初めは診察室で涙をボロボロ流して泣くことしかできませんでした。「あんなことが起きたらどうしよう」「こんなことが起きたら死んでしまう」といったことを言い、それを聞いたお医者さんは最初、統合失調症と思ったそうです。二度目の診断で強迫性障害だと診断されました。
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