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50代女性が選んだ“第二の人生”。群馬県に移住、築110年の銭湯を復活させるまで

日刊SPA! / 2024年4月10日 15時51分

50代女性が選んだ“第二の人生”。群馬県に移住、築110年の銭湯を復活させるまで

山本真央さんと愛犬のシカク君

 働き方の多様化とともに地方移住への関心は年々高まりつつあるが、最近は移住先で起業する人も増えている。
 山本真央さん(51)は埼玉県から群馬県桐生市に移住し、地元の人々に愛されながらも廃業していた約110年の歴史がある銭湯「一の湯」を再建させている。そこに至るまでの足取りに迫った。

◆一の湯をこのまま朽ちさせてはならない

 真央さんは埼玉県のバイクショップに長年勤務していた。自身も大のバイク好きで、休日には愛車のハーレー・ダビッドソンであちこち走りに行っていた。そんな真央さんが一の湯に出合ったのもバイクがきっかけだった。

 バイク乗りの間で有名な桐生市のウェアショップを訪れたときのこと。その店のオーナーから一の湯を紹介された。重要伝統的建造物群保存地区という古い木造の建物が多く並ぶエリアにあり、見に行ってみると、その趣のある外観に一目惚れした。

 もともとは明治時代に織物工場の女性工員の浴場として使われていたもので、その後、銭湯として地元の人々に愛されてきた。が、2018年に経営者が亡くなってから廃業しているという。真央さんは一の湯をこのまま朽ちさせてはならないと思い、自分の手で再建させようと決心した。

 離婚してから女手ひとつで育ててきた子供2人も手を離れていたし、このままバイクショップで働き続けることにも不安を感じていた。“第二の人生”として新しいことを始めようと考えていたタイミングでもあった。「そんなのうまくいくわけない」と反対する声も多い中、思い切って桐生市に移住した。

◆かつての賑わいを取り戻すために

 一の湯の所有者と賃貸借契約を結び、地元紙の記者に水道業者などの専門業者を紹介してもらった。が、その再建までは楽な道のりではなかった。

 建物は今にも倒壊しそうなほどボロボロだし、なんだかよくわからない配管だらけだし、どこから手をつければいいのかすらわからない状態だったのである。

 そのため、桐生市に移住してきてからも約半年ほどはなにも進まず、ただアルバイトをするだけの日々が続いた。

 そんなときに桐生市に拠点を置くIT企業「シカク」の代表取締役である今氏一路さんと知り合い、開業をサポートしてもらえることになった。さらに、クラウドファンディングで修繕費の400万円を集めることにも成功。こうして、2023年4月に一の湯は約4年半ぶりの復活を遂げたのである。

 すぐにたくさんのお客さんが入るようになり、一の湯はかつての賑わいを取り戻した。桐生川の軟水を薪で沸かした湯はとろみがあり、ずっと入っていられて、肌もつるつるになると評判も上々である。

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