「全身に入れ墨を入れた」21歳女性が語った過去。“オール5”生徒会長の学生時代、少年刑務所…親との関係も告白
日刊SPA! / 2024年4月10日 8時53分
◆自分の子どもに「入れ墨を入れたい」と言われたら
とはいえ、乙葉さんは自身の選択を「後悔していない」と話す。
「入れ墨の入った人は周囲にたくさんいますが、その多くは普通の社会人としては生きていけないことを十分に理解し、覚悟しています。逃げ場を自らなくして生きているので、言葉に重みを感じるし、単純に話していて面白いんです。私も同じく、将来後悔するような人生を送らない覚悟を持っています」
将来は「旦那はいなかったとしても、子どもは欲しい」とする乙葉さんだが、自分の子どもが入れ墨を入れたい、あるいは整形したいと訴えた場合、どのように振る舞うのか。
「生半可な覚悟では勧められません。ただ、私の子なら偏見に苦しむ私の姿を見てきているでしょうし、それをわかったうえで希望すると思うので、気持ちは嬉しいなと感じます。現実的な話をすると、整形や入れ墨によって心が前向きになれるのであれば、背中を押してあげられるように資金面での援助をするでしょうね。整形に関しては100%成功するわけではないし、メンテナンスの費用もかかりますから、そうしたことも含めて本当にしたいかどうか、問いかけるんじゃないですかね。整形も入れ墨も、本来不必要な身体への侵襲であり、ネガティブなイメージで語られがちですが、前向きになれる魔法をかけるものだと私は思っています」
事情がわからなければ人は後ろ指をさすかもしれないが、整形や入れ墨はその人がどれだけ傷ついたかの外見的表出なのかもしれない。弱冠21歳で自らを俯瞰し、同じく迷える人たちの癒やしとなるため、乙葉さんは自らの経験を糧にさらなる飛躍を誓う。
<取材・文/黒島暁生>
【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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