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東大卒のポーカー王者が、じつは投資でも成功していた「どれだけ株価が上がるかは考えない」勝負師の勝ち方とは

日刊SPA! / 2024年4月26日 15時59分

対して小型株は、そういった大口の目があまり向いていないことに加え、事業内容がシンプルなので業績も予測しやすい。さらに大きな資金を入れづらいので、強い個人投資家の監視対象になりにくいです。

ビジネスでもポーカーでも、同じ”テーブル”に強い相手がいないほうが勝ちやすいのは当然です。確実に勝てる場面を見定めることは、ポーカーも投資も同じだと思います。

◆いかに「株価が上がる理由」を描けるか

とはいえ、バリュー投資では、「割安」という理由で飛びついたものの、その後も「低空飛行のまま儲からない」なんて落とし穴もよく耳にします。

もちろん、僕も銘柄を選定する際は、PERやPBRといった指標に着目してスクリーニングをかけます。しかし、そういった指標以上に大切なのは「株価が上がる理由」があるかです。決算書の中身に加えて、経済状況、経営状況を分析し、自分なりの仮説を立てて、日々検証する作業は欠かせません。

ひとつ具体例を挙げてみましょう。2023年に僕が実際に保有していた「ホクリヨウ」(東S・1384)という北海道地盤の鶏卵メーカーです。

2023年春頃には、鳥インフルエンザが猛威を奮っていてホクリヨウも30%もの鶏の処分を余儀なくされました。これは経営的には大打撃です。しかし、それ以上に鶏卵価格が高騰し卸売価格が2倍近くになっていたことで、想定に反して4-6月期の業績は好決算に終わりました。

そこで鶏卵卸売価格を確認するとまだ高止まりしていたので、「7-9期の決算もよいはずで、株価にはその好決算が織り込まれていない」と仮説を立てたところ、みごとに的中。10月以降は鶏卵卸売価格が落ち着いてきたので、その決算直後に売却しました。

株を買う時は、買うに値するしっかりとした理由が必要です。業績が想定と違うならその理由を考えますし、業績が想定通りなのに株価がついてこなかったら、その業績の上昇がいつからみんなに浸透していたのか振り返って考える。研究者みたいと思われるかもしれませんが、理学部出身の自分としては、ごく自然に行っていることなのです。(全3回/1回目)

<取材・構成/アケミン>

【木原直哉】
プロポーカープレイヤー。東京大学理学部卒後、ポーカープロに。12年の第42回世界ポーカー選手権大会(WSOP)で、日本人として初優勝をはたす。Xは@key_poker

―[資産[10倍]にする投資術]―

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