ロイヤルホストと「安さがウリのファミレス」で分かれた明暗。“質にこだわる姿勢”が功を奏す結果に
日刊SPA! / 2024年4月27日 8時53分
◆リスクが分散されず、業績は大幅に悪化…
リスク分散になるはずの多角経営も、事業の特徴からコロナ禍では全事業の業績が悪化しました。2019年12月期から23年12月期までの業績は次の通りです。
【ロイヤルホールディングス株式会社(2019年12月期~23年12月期)】
売上高:1,406億円→843億円→840億円→1,040億円→1,389億円
営業利益:46.5億円→▲192.7億円→▲73.7億円→21.9億円→60.7億円
売上高(外食事業):626億円→463億円→451億円→535億円→619億円
売上高(ホテル事業):303億円→140億円→167億円→232億円→295億円
自己資本比率:49.6%→19.7%→31.0%→35.8%→38.0%
20年12月期に至っては全社40%、ホテル事業単体で54%の減収となりました。外食事業については必需性の低いレストラン業態、てんや業態が悪化の要因です。とはいえ「てんや」に至っては天丼並盛を税込500円から540円にした18年1月の値上げ以降、業績悪化が続き、外食事業全体ではコロナ禍以前より軟調に推移していました。ホテル事業は言うまでもなく出張や旅行客、インバウンド減少の影響を受けた形です。
利益面では20年12月期の275億円の最終赤字が財務を圧迫し、期末時点の自己資本比率は50%から20%へと大幅に悪化しました。しかし翌21年には資本業務提携により総合商社・双日から100億円の出資を受け、その後も追加増資を受けたことで自己資本比率は持ち直しています。後述の通り、双日との提携は今後の新規事業開拓にも関わってきます。
◆ロイヤルホストがいち早く回復した理由
業績回復は現時点でも道半ばですが、ロイヤルホストはいち早く回復。22年12月期第4四半期で既存店売上高は2019年度と比較して110%台となりました。バラエティ番組『ジョブチューン』(TBS系)の放送内容がSNSで話題となるなど、メディアの影響もありますが、やはり質重視の姿勢が消費者を惹きつけたといえます。
近年、外食チェーンでは値上げやサイズ・質を下げたステルス値上げが横行しており、サイゼリヤを除いて1,000円以下で食べられるファミレスも少なくなりました。安さがウリだったはずのチェーンでその魅力が失われつつあります。
一方、ロイヤルホストは客単価が2,000円と言われ、確かに割高ですが従来通り質にこだわった料理を提供し続けてきました。「どうせお金を払うなら高くてもちゃんと食べたい」といった「ロイヤルホストに対する肯定的な意見」も見られ、質重視の姿勢が改めて評価されたと考えられます。
この記事に関連するニュース
-
コロナが明けても安心できない外食大手の経営環境と深刻な課題
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年7月3日 20時58分
-
謎の黒船?コスタコーヒー「680円朝食」の実力は… コカ・コーラと双日がタッグを組んでいる
東洋経済オンライン / 2024年6月15日 7時0分
-
ロイホやてんやで使える共通アプリ「MyROYAL」登場 ランクに応じたポイントサービスも
ITmedia Mobile / 2024年6月10日 19時15分
-
ロイホ・てんやでポイント貯まる。ロイヤルグループ共通アプリ「MyROYAL」誕生。
東京バーゲンマニア / 2024年6月10日 9時0分
-
「スシロー、くら寿司では物足りない客」を満足させる…職人が握る回転寿司「銚子丸」の戦い方
日刊SPA! / 2024年6月8日 8時54分
ランキング
-
1NYで人脈構築の小室圭さん、対照的な生活の眞子さんは「ほとんど外出せず」紀子さまが抱える“複数”の不安
週刊女性PRIME / 2024年7月4日 7時0分
-
2実刑判決で「頭が真っ白に」 法廷に両親の涙 静岡バス置き去り死
毎日新聞 / 2024年7月4日 20時58分
-
3「魚民」の大量閉店は“大正解”か。運営企業「モンテローザ」の“稼ぐ力”は他社を圧倒
日刊SPA! / 2024年7月4日 8時53分
-
4【那須2遺体】長女・宝島真奈美容疑者が遺体発見翌日に応じたTVインタビューで見せた“違和感”について臨床心理士が分析
NEWSポストセブン / 2024年7月5日 7時15分
-
5新潟上越市でマンホール点検中の男性死亡 夕方になっても帰社せず捜索、マンホール内で意識不明の状態で発見
新潟日報 / 2024年7月4日 23時40分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)