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ドンキの新業態「ドミセ」、なぜ渋谷から異例の早さで撤退?Z世代向け「キラキラドンキ」との明暗

日刊SPA! / 2024年5月3日 8時52分

 道玄坂通の開発事業に幹線道路沿いの数棟が参加しなかった関係もあり、建物は歪な形状となったが、それを逆手にとった24時間通行可能な館内通路や高感度なブランド誘致が功を奏し、入居する飲食店に限ればいずれも活況を呈していた。同年1月に惜しまれつつ閉店した「東急百貨店渋谷・本店」に近いこともあり、渋谷を本拠とする東急グループが新たに開発した施設と言われれば信じてしまう客も一定数はいるだろう。

 一方、道玄坂通の核となるドミセ自身の客入りは芳しくなく、閉店案内に気付いた来店客から「やっぱり……」との声も聞かれるなど、相乗効果があるとは到底おもえないような状況だった。そもそもなぜ、ドンキは道玄坂通という高級商業施設に自社PB中心のドミセを出店するという判断に至ったのだろうか?

◆情熱価格自体は意外と好調?

 ドミセが1年未満で閉店に至った結果から自社PB商品「情熱価格」に問題がみえそうだが、意外と好調だ。

 ドン・キホーテは2009年10月に取扱開始した情熱価格の立ち位置を2021年2月に「ピープルブランド」として全面刷新して以来、「『驚きのニュース』がない商品は、発売しない」を志として掲げ、競合他社で取扱実績の乏しいニッチ商品を拡大し顧客からの「ダメ出し」を活かした商品開発を積極的に打ち出すなど、価格訴求一辺倒からの脱却を図った。

 取組みの一環として発売した国内家電大手では取扱いが難しいとされるチューナーレステレビのようなワリキリ家電や2023年には最長318文字を記録したPB商品名はSNSでの注目度も高く、同年6月期 のPB/OEM売上構成比は通期 17.3%(前期比+3.1%)に拡大するなど好調に推移している。同年11月にはカネ美食品との業務提携を活かし新PB商品「偏愛めし」を共同開発するなど、惣菜部門においても同様の取組みを本格化。2025年6月期の売上構成比25%という目標の実現に近付きつつある。

◆海外ドンキでも看板商品に

 また、ドンキは2017年12月より中華圏・東南アジア圏を中心に日本商品特化型業態「DONDON DONKI」や情熱価格特化型業態「JONETZ」を展開しており、国外においても情熱価格はグループの看板として役割を担っている。

 両業態では国内販路向け商品に加えて、前面に「日本の魅力発見 DISCOVER CHARMS OF JAPAN」「日本製 MADE IN JAPAN」「DESIGND IN JAPAN」を打ち出した海外販路向け商品や店内厨房製造による弁当・惣菜を情熱価格を冠し展開。あわせて、現地企業や現地銘店との協業により、国内販路同等のグレードの高い商品を展開するなど、既存日系流通企業や日本商品専門店との差別化に寄与している。

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