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「これで65歳までは安心」と思っていると痛い目に遭う!再雇用に潜むリスクを専門家が解説

日刊SPA! / 2024年5月4日 8時52分

大企業が自主退職を促す場合は、閑職に追いやることが多いが、中小企業の場合は反対に、過度なノルマなど厳しい環境下に置いたり、嫌がらせをしたりすることも見られるので注意したい。

◆転職を目指す際の注意点

ここまでに挙げた再雇用におけるリスクは、決してフィクションではなく、実際に起っているものだ。私たちが提供するシニア専門の人材紹介や求人サイトのサービスにも、再雇用後の条件や環境が悪く、転職・再就職を希望するシニアが多く登録している。

シニア専門の人材紹介や求人サイトに登録するシニアの平均年齢や年齢のボリュームゾーンは、いずれも60代前半だ。60歳で再雇用を希望せずに退職後、再び働き始めたい人もいるが、多くは再雇用後に不満を持っての転職か、転職した先に満足できず再転職したいシニアが多い。

再雇用後、契約社員となったが65歳前に契約を打ち切られたというシニアは、コロナ禍以降に多くいた。感染拡大期だけでなく、ゼロゼロ融資の返済が始まって以降も、失業したシニアが多く見られる。

もともと大企業に勤めていたシニアの中には、再雇用後にそれまでとまったく違う仕事に異動となり、不慣れな仕事に馴染めず、またはもとの仕事に戻りたいなどの理由で、転職・再就職を目指す人が一定数いる。

しかし、仕事が変わってから何年も経ってしまっていると、その間のブランクが不利になるので注意したい。転職を目指すならなるべく期間を空けずに動いたほうがよい。

また、残念ながら“もとの仕事”と言っても、営業職や事務職などのホワイトカラーのシニア向け求人は多くなく、まして、管理職の求人は極めて少ないので、狭き門となる。

大企業出身で理想の転職に至りやすいのは、勤務時間の制限を取り払ってバリバリ働きたいシニアのケースだ。もちろん本人が健康で体力もなければならないが、大企業での週3勤務から中小企業で週5勤務、残業までする仕事に転職した場合、時給換算では下がったとしても月の支払い給与が上がることもある。

中小企業の再雇用から転職する場合では、大企業とは反対に「同じ仕事なのに低い給与に納得いかない」ケースが改善されやすい。例えば、60歳定年を機に同じ仕事でも大幅に給与が下がった専門職のシニアが人生初の派遣社員となったことで、「給料は上がって、仕事内容も多少楽になった」という事例も発生しているので、選択肢に入れるのも手だろう。

【中島康恵】
50代以上のシニアに特化した転職支援を提供する「シニアジョブ」代表取締役。大学在学中に仲間を募り、シニアジョブの前身となる会社を設立。2014年8月、シニアジョブ設立。当初はIT会社を設立したが、シニア転職の難しさを目の当たりにし、シニアの支援をライフワークとすることを誓う。シニアの転職・キャリアプラン、シニア採用等のテーマで連載・寄稿中

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