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“楽天離れ”が加速…「若者から圧倒的に支持される通販サイト」と分かれた明暗――大反響・総合トップ10

日刊SPA! / 2024年5月5日 15時44分

さらに嬉しいサポートもある。たとえば20%OFFの商品を出品した場合、Qoo10が10%を担保し、さらにQoo10側の社員がメガ割の作業を代行してくれるのだ。なおかつ、手数料は商品が売れた時だけにしかかからない。

◆どちらに出品すべきかは明白…

一方、楽天市場への出店は、一番低価格な出店プランである「がんばれ!プラン」でも年間30万円の固定費がかかる。

商品が売れる売れないにかかわらず30万円がかかる楽天市場に対して、商品が売れなければ1円もかからないQoo10。どちらに出品すべきかは明白だろう。

「同様の施策を楽天も行えばよいのでは?」と思う方も少なくないはず。だが、楽天が真似することは難しい。

というのも、プロモーション、広告枠の利用には高額な広告費用が必要となるからだ。たとえばトップページのメイン下部への商品露出の場合、40万円以上の広告費が必要とも言われている。

◆「若者を取り込む新陳代謝」が起こせていない…

Qoo10が得意とするインフルエンサーマーケティング事業を楽天が行っていないわけではない。いま楽天が新たに力を入れているのが「楽天ROOM」というインフルエンサーにお気に入りの商品を発信してもらうプラットフォームだ。

しかし、この「楽天ROOM」にはひとつ問題がある。楽天ROOMに投稿するインフルエンサーの年齢はQoo10とは違い、30代以上が多い。結果、インフルエンサー施策を行っているにも関わらず、楽天は若者を取り込む新陳代謝が起こせていないのだ。

また、楽天市場ではQoo10と違い、出店している企業が10〜15年も変わらず、若年層向けの商品ラインナップが少ないという意見もある。そもそも商品を検索した際に長年出店している店舗が上位表示されやすい仕組みになっているのだ。こうなると若者向け商品を取り扱うメーカーの新規参入はかなり難しいだろう。こうした古参の店舗はメルマガでリピーターをつかんでいるため、年々歳を重ねていく既存顧客相手の商売をしてしまう。

このように、楽天は若返り施策に成功していないと結論づけられる。無論、「30年後のQoo10」が現在の楽天のようになっていてもおかしくないわけだが。

※1 「Appliv TOPICS」の調査「オンラインでよく購入する商品ジャンル」参照
※2 ※3 「ECモール 利用男女比率」参照

<TEXT/田中謙伍>

【田中謙伍】
EC・D2Cコンサルタント、Amazon研究家、株式会社GROOVE CEO。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社、出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、同社大阪支社の立ち上げを経験。マーケティングマネージャーとしてAmazonスポンサープロダクト広告の立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。Youtubeチャンネル「たなけんのEC大学」を運営。紀州漆器(山家漆器店)など地方の伝統工芸の再生や、老舗刃物メーカー(貝印)のEC進出支援にも積極的に取り組む。幼少期からの鉄道好きの延長で月10日以上は日本全国を旅している

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