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CoCo壱番屋、多店舗展開で成功。22歳バイト出身社長も生んだ“独自の制度”とは

日刊SPA! / 2024年5月10日 8時52分

 筆者もフランチャイズ運営部のSV(スーパーバイザー、経営指導員)をしていた経験があるが、フランチャイズ加盟店を管理統制をすることは難しい。生まれも育ちも文化も習慣も違う人たちを束ねて、同じベクトルに向かわせるということは至難の業である。

 店が順調なら上機嫌の加盟店オーナーだが、業績が悪化すると本部に罵詈雑言。本部が強すぎてもいけないが、加盟店が強いのもまた問題で、均衡の取れた緊張関係の維持が相互が成長する要因だと思う。

 今年5月には、群馬や神奈川など、1都8県で25店をフランチャイズ展開する「スカイスクレイパー」の新社長に22歳のあるアバイトの女性が抜擢されたことも話題になったが、それも納得の出来事であろう。なお、当然ながらデメリットとして、店舗経営者としての能力が身につくまでは独立できないことでも挙げられる。

◆日本のカレーは外国人にも人気

 成熟社会では好みも個性化・多様化・高度化し、またアレンジのしやすさから数十種類のスパイスを混ぜた独自のスパイスカレーも誕生している。カレー専門店を渡り歩く熱烈なファンも多くおり、定年退職後に自分の店を持って第二の人生を切り開こうとする会社員も多い。

 その際、飲食業は開業しやすいが、廃業率も高いというリスクがある。約半数の飲食店が2年以内に廃業し、開業3年では約7割が廃業し、10年後の生存率は1割程度という統計が出ている。だから、優れた本部のブランドや経営ノウハウや成功事例の再現性が容易なパッケージを利用できるメリットは大きくリスクも低い。

 だから、独立志向の高い人はこういう選択肢もいいのではないかと思う。日本のカレーは訪日外国人にも人気があるようで、コロナ収束後の今、盛り上がるインバウンド需要も吸引しており、今後の明るい材料でもあり、追い風でもある。

 企業理念に沿った正しい判断、正しい行動によって事業の永続的な発展を目指している壱番屋。これからもカレーを通じて食生活の豊かな提案を期待したい。

<TEXT/中村清志>

【中村清志】
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan

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