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全盲の22歳シンガー、幼少期の“音育”に関心を示して「(美空)ひばりさんの歌に心奪われました」

日刊SPA! / 2024年5月11日 15時52分

ひらり:東京での開催が決まった2013年から、ずっとそうでした。あの場で歌うことはそれまで私を支えてくれた人、応援してくれた人への恩返しになると思ったものですから。

 障がいを持つシンガーは数多いので、簡単にかなう夢ではなかった。しかし、絵美さんの教育方針もあり、ひらりはこの夢をあえて公言する。夢を常に意識したほうが、自分の成長にプラスになると考えているからだ。

ひらり:オーディションがあり、ほかにも有力な方がいたのですが、最終審査当日の歌によって、満場一致で私に決まったそうです。

 歌った曲はやはり『アメイジング・グレイス』だった。

 開会式はコロナ禍によって無観客だったものの、各国の記者たちから大きな拍手が起こる。式をテレビで観ていたXのユーザーからも賞賛の言葉が相次いだ。

「これまで聞いたどの声より凄くきれいな声!」(2021年8月24日、@Nana01sp)、「全盲でもこんなに素晴らしい歌手がいらっしゃるなんて、日本のエンターテイメントの実力を世界に見せられましたね」(同26日@Hu2XErDcx4cF4RC)。

◆テクニックよりも心を込めて

――式で歌っているとき、どんな心境でした?

ひらり:日本の大切な歌をうたわせていただいたので、珍しく緊張しちゃいました。

――ほとんど息継ぎせず、一気に歌い上げたことが評判になりました。肺活量が凄い?

ひらり:いいえ、それほどでも。分からないように息継ぎをちゃんとしていました(笑)。それと、松任谷由実さんのピアノなどを担当なさっている作曲家で編曲家の武部聡志さんがピアノ伴奏をしてくださったのですが、私が歌いやすいように弾いてくださったんです。

 開会式後のSNS上には「涙が止まらなかった」という言葉も並んだ。ひらりのコンサートに行くと、やはりハンカチで目頭を押さえている観客が目に付く。

ひらり:私はテクニックとかを固めるのが苦手なので、心をしっかり込めて歌おうと思っています。だから伴奏をお願いする方に「リハーサルと雰囲気が違ったね」と言われるくらいなんです。

◆スティービー・ワンダーのような存在に

――次の目標は何ですか?

ひらり:スティービー・ワンダーさんのような存在になりたいですね。スティービー・ワンダーさんやレイ・チャールズさんの歌を聴き、「この人は目が見えないんだな」って意識する人は誰もいませんよね。私もそうなりたいんです。そうなれたら、私だからこそ言えることが増えるんじゃないかなと思っているんです。世の中には『もっと目の見えない人に相談してつくってくれたらいいのに』という建物などがたくさんありますからね。

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