1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

「シングルマザーはだらしない」という心無い声も…物件を契約できない“住宅弱者”の実態

日刊SPA! / 2024年5月15日 15時52分

 めぐみ不動産コンサルティングでは障害者のグループホーム「ワンダフルライフ」も運営していることは前述の通りだが、これが竹田氏が目指す「社会問題解決型」の屋台骨といえる機能を果たしている。

「住宅弱者と呼ばれる人たちのなかでも、障害者は特に入居が困難です。であれば、私がグループホームを運営しようと思いました。子ども食堂『めぐみキッチン』はB型就労支援の作業場でもありますので、ここで障害のある人たちと社会の接点を作り、大家さんに紹介できるようになるまで働いてもらいます。また、シングルマザーの方たちのなかでどうしても職が決まらない場合には、『ワンダフルライフ』で調理、洗濯、掃除、食事の介助などの仕事をしてもらう場合もあります。就労証明を得て保育園を申請し、保育園が決まってから自分の好きな仕事を探す人もいます」

◆多くの人材が活躍できる土壌を作りたい

 なぜここまで大きなビジョンを描き、それを実行できたのか。竹田氏は豪快に笑いながらこう答えた。

「人々にとって地域が身近になって、みんなが働ける社会になれば、少し希望が見えてくるじゃないですか。私は子どもたちが明るい未来に向かって進んでいける社会であるべきだと思っていて、そのためには多くの人材が活躍できる土壌がなければいけないと考えています。不動産業に携わる人間として、自分が持てるリソースを活用することで貢献できれば私の“おせっかい”も本望です」

 勝ち馬に乗って弱者を遠ざけることはしても、自ら手を差し伸べる人は少ない。まして銀行から融資を受けてまで住宅弱者の居場所を作ろうともがく人間が、どれほどいるだろう。誰もが社会から必要とされ、存在を認められるようになってほしい。竹田氏のそんな切なる願いが周囲の良心をそっと奮い立たせ、「こうだったらいいな」を次々に現実にしていく。

<取材・文/黒島暁生>

【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください