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「ゲームで稼ぎたい」自称“情報強者”の若者を欺いた巧妙な手口とは

日刊SPA! / 2024年5月16日 15時51分

そして、「取り引きは通常、“①出品物を購入②入金(いったんサイトが預かる)③商品の受け渡し④相互レビュー⑤出品者に商品代金が反映される”といった順番で行われます。僕が詐欺に遭ったのは、 “③商品の受け渡し”のタイミングです」と続ける。

「出品者からURLよりログインして本人確認をするよう促されました。焦りと慣れは、本当に怖い。面倒なやり取りをサッサと終わらせて早く稼ぎたいという気持ちも高まり、寝起きの頭が冴えていない状態でチャット内のメッセージからURLを開いてしまったのです。」

ゲーム関連の詐欺については認知していたが、「昨年2023年当時に流行っていた、“ニセモノのアカウントやデータを買わせる”とか“いったん売ったゲームアカウントを購入者の承諾なく奪い返してまた売る”などといった内容のものとは違っていました」と、福井さん。

「いま振り返ると無意識のうちに、自分が持っていた詐欺の知識に頼りすぎていたのだと思います。また、使い慣れたサイト内だったことから、考えるより先に行動していたというのも正直なところ。さらに、URLを開いた先にも巧妙な手口が仕掛けられていました」

URLを開くと、福井さんがアイテムを購入したトレードサイトの名称やロゴが記載されたページが出現。そのため「出品物を購入したときは、自動的にURLが出品者のメッセージに貼り付いてきて手続きをする仕組みなのだろう」と薄っすら思った程度だった。

「振り返ってみたらそう思っていたという程度で、無意識にURL内でトレードサイトのログイン情報を入力してしまっていたというのが正直なところです。仲間同士で取引して作ったのか、取引実績が十数回あると表示されていたことも信じたひとつの要因といえます」

詐欺の方法はそれぞれだが、福井さんが騙されたケースでは「formrun(フォームラン)」が利用されていた。フォームランはグッドデザイン賞も受賞しているデザイン性の高いサイトで、誰もが簡単に問い合わせやアンケートフォームを無料作成できる非常に便利なツール。

「でも当時は調べても、フォームランがフォームを作成できるツールだということしかわからなかったし、まさか個人が勝手にトレードサイトの名称やロゴを使ったログイン画面まで表示させることができるとは考えてもみませんでした。そして僕は、騙されたのです」

◆なりすましで被害が発覚

URL内でトレードサイトのIDとパスワードを入力した福井さんは、アイテムの引き渡しを楽しみに待っていた。ところがそのあとすぐ、相手方がレビューを書き込んだとの通知が届く。それは、とても不思議なことだった。

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