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「ゲームで稼ぎたい」自称“情報強者”の若者を欺いた巧妙な手口とは

日刊SPA! / 2024年5月16日 15時51分

「通常は購入者が先にレビューを書き、そのあとで出品者が購入者のレビューを書きます。でも、僕はまだ、レビューを書いていない。不審に思った僕は、すぐにサイトにログインしました。すると僕の代わりに誰かが、僕になりすましてレビューを書いていました」

福井さんはすぐ、アカウントが乗っ取られたことを悟ったとか。そして、購入したはずのアイテムは引き渡されるどころか、ゲーム内で貯めていた現金に引き換えることができるポイントのみが万単位で減っている。「騙された…」と青ざめたが、時すでに遅し。

「すぐにパスワードを変更し、トレードサイトに状況を報告。その後、連絡した警察では、『この手の詐欺は多く、犯人が検挙される可能性は低い。被害届を出してもサイト側が協力してくれるかは不明だが、それでも被害届を提出しますか?』と聞かれました」

そして、ゲームの代行作業がグレーな行為であることやトレードサイト内で被害に遭った人たちが泣き寝入りをしていることについても知ったという。犯人の検挙は難しいと感じたが、それでも「自分と同じように詐欺に遭う人を減らしたい」と被害届を提出。

◆口座情報を教えないと返金されない?

「その後、サイバー犯罪を専門とする部署に引き継がれ、あらためて事情を聞かれました。最初に相手のIPアドレスとだいたいの居住地が判明。それから半年ぐらい経った頃に、犯人が特定されたという連絡がありました」

そして、「警察は、『犯人は反省していて騙したお金を返金したいと言っている。口座番号を相手に伝えて返金してもらうかどうか考えてほしい』と言いました。でも、自分の名前や口座情報などを加害者に伝えるのは勇気がいるものです」と福井さん。

「できればもう、詐欺師なんかとかかわりたくない。けれど詐取されたお金を返金してもらうためには、警察に口座情報などを伝え加害者と情報を共有して振り込んでもらうか、弁護士に被害金を受け取ってもらうよう依頼するしかないと説明がありました」

けれど、弁護士に依頼すると高額。数万円程度の被害金額を取り戻すために依頼をすれば、マイナスになってしまう。福井さんは被害に遭ったお金の返金を悩んだ末に諦めたが、いまでも「しっくりしない」という。

「僕のように口座情報などを教えるのが不安で、返金を諦めた人もいるのではないでしょうか?でも、たとえ数万円でも、お金を稼ぐのは大変なことです。たとえ少額でも取り返したいというのが本音。自分の口座情報などを開示せず、返金できる制度を作ってほしいです」

筆者のほうでも警察に確認を取ってみたが、やはり、“加害者の反省が相当と認められ、被害に遭ったお金を返金してもらう場合は、加害者に口座情報を伝えて返金している”とのこと。詐欺が横行するいま、被害者が安心して返金請求が可能な仕組みの新設を祈るばかりだ。

【夏川夏実】
ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Twitter:@natukawanatumi5

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