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「家を借りられない」「老人ホームにも入れない」身寄りのない“孤独な高齢者”が増加する日本を待ち受ける残酷な未来とは

日刊SPA! / 2024年5月20日 8時52分

先にも述べた通り、身寄りがないことは「困った時に助けてもらえない・頼れない」ということだけでなく、保証人を立てられないことで様々な不便が生じる。つまり「何かが起きた時」だけでなく、その前の準備や一時的な対応でも困る場面が出てくる。

例えば、賃貸住宅や老人ホームへの入居や、病院での入院・手術などの場面だ。保証とは本人が支払えなかった債務を支払う責任を他の人に担ってもらうことを言うが、老人ホームなどの場合、支払いだけなく入居者本人が亡くなった際や緊急時の対応を行う目的でも、保証人が必要とされることが多い。

つまり、高齢者本人に判断力や支払い能力があっても、身寄りがなく保証人が立てられないことで、老人ホームへの入居や、病院での入院や手術がスムーズにいかない場合がある。

こうした身寄りのない高齢者を助けるサービスが、身元保証サービスというものだ。若い方でも最近は賃貸住宅への入居で保証人が必要なくなり、保証会社に保証料を払うことが増えているが、それと似たようなものである。

ただし、高齢者向けの身元保証サービスの場合、亡くなった後の手続きや財産の管理なども含むことが多く、複雑だ。いくつもの法律と専門分野に跨る内容のために、監督省庁がなく、弁護士や社会福祉士といった専門職もすべてを一人でカバーできるわけではない。さらに専門職に依頼するとその分、費用が高額になるという問題もある。費用が高額で、医療や介護、財産といった重要な問題にも関与することでトラブルの発生も増えている。

政府も孤独・孤立対策推進本部を立ち上げ、「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」の案を出している。しかし、まだ具体的な取り組みは道半ばという状況だ。

現時点で身寄りのない人ができる対策は、高額な身元保証サービスを利用できる資金を蓄え、自身の判断力が衰える前に、将来、身元保証サービスがスムーズに受けられる準備を整えることぐらいしかない。とはいえ、政府の対策も加速しており、自治体独自の取り組みがある場合もあるので、お住まいの自治体に確認してみるのもいいだろう。

【中島康恵】
50代以上のシニアに特化した転職支援を提供する「シニアジョブ」代表取締役。大学在学中に仲間を募り、シニアジョブの前身となる会社を設立。2014年8月、シニアジョブ設立。当初はIT会社を設立したが、シニア転職の難しさを目の当たりにし、シニアの支援をライフワークとすることを誓う。シニアの転職・キャリアプラン、シニア採用等のテーマで連載・寄稿中

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